高井たかし氏は、郵政省・総務省で情報通信行政に携わった後、選挙の世界へ入り、衆議院議員を通算4期務めた政治家です。
官僚を志した少年時代から、岡山での政界入り、相次ぐ落選と国政復帰、所属政党や活動地域を変えながら続けてきた政治活動まで、その歩みをたどります。
- 少年時代から国家公務員を志し、情報通信行政の現場を歩いてきました。
- 官僚を辞めた後は岡山を政治活動の拠点とし、秘書経験を経て自ら選挙へ挑みました。
- 落選と再挑戦、政党の移籍を重ねながら、衆議院議員として通算4期活動しています。
高井たかしの生い立ち|転勤族の家庭で育ち、『官僚たちの夏』に憧れた少年時代
高井たかし氏は1969年9月26日、北海道函館市に生まれました。父親の転勤に伴い、小学生の頃は東京都目黒区、品川区、新潟県村上市、群馬県前橋市と学校を移っています。1歳半ほど年下の弟がおり、幼い頃は一緒に行動することが多かったといいます。
故郷のない転勤族の私
出典:高井たかし公式サイト「第47回衆議院議員選挙に向けて」(2014年11月26日)
小学生では野球、中学生ではサッカーに打ち込みました。進路への意識が大きく動いたのは、中学2年生で城山三郎の『官僚たちの夏』を読んだことでした。作品に登場する官僚の姿に感銘を受け、国家公務員を目指すようになります。
函館ラ・サール高等学校では100人規模の寮で生活しました。1年間の浪人を経て東京大学文科三類に入り、経済学部へ進学。大学時代は親から仕送りを受けず、アルバイトで生活費を賄ったとしています。
卒業論文のテーマは「NTT分離分割論」でした。後に長く関わることになる情報通信政策は、大学時代から研究対象になっていました。
高井たかしの学歴|東京大学から郵政省へ、情報通信行政を歩いた官僚時代
| 区分 | 学校名 | 学部・専攻 | 現在の偏差値・難易度 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 高校 | 函館ラ・サール高等学校 | ― | 68(2026年度版) | ― |
| 大学 | 東京大学 | 経済学部 | 67.5(文科二類・2027年度参考) | 卒業 |
※偏差値・難易度は高井氏の在学当時ではなく現在の目安です。
1993年に東京大学経済学部を卒業し、国家公務員Ⅰ種試験を経て郵政省へ入省しました。主に情報通信政策に関わる部署を歩みます。
1997年には公費留学でドイツのミュンスター大学へ。翌1998年は大臣官房総務課で省庁再編を伴う行政改革に携わりました。本人は当時、残業が月300時間を超える時期もあったと記しています。
1999年には新潟県の長岡郵便局副局長となり、約400人の職員を抱える現場で勤務。2000年には情報通信政策局放送政策課へ移り、通信と放送をめぐる制度づくりのチームに加わりました。
2001年には岡山県庁へ出向し、企画振興部情報政策課長に就任しました。県内を高速通信網で結ぶ「岡山情報ハイウェイ」の構築に携わり、この赴任が岡山との長い関係の始まりとなります。
2004年、総務省総合通信基盤局事業政策課課長補佐を最後に退職しました。
政治を変えなければ、この国は没落する
出典:高井たかし公式サイト「ホーム」(公開日記載なし)
岡山県庁への出向、江田五月氏との出会いから政治へ
総務省に在職していた2004年4月、高井氏は民主党の候補者公募に合格しました。その直後に会った政治家が、岡山を地盤とする江田五月氏でした。
退職するまで週末ごとに岡山へ足を運び、江田氏と行動。2005年1月から正式に秘書となりました。同年の郵政民営化をめぐる国会論戦では、郵政省出身者として江田氏の質疑を手伝ったことを後年振り返っています。
私の政治人生の扉を開いてくださったのは江田五月さんでした。
出典:高井たかし公式サイト「江田五月元参議院議長の訃報に接して」(2021年7月29日)
そして同年10月、岡山市長選挙に立候補し、初めて自ら選挙へ挑みました。58,165票を得ましたが、3人中3位で落選しています。
高井たかしの経歴|2009年に初当選、情報通信を知る国会議員として活動
次に国政へ照準を定め、民主党から岡山1区で第45回衆議院議員総選挙に立候補しました。小選挙区では相澤一郎氏に及びませんでしたが、比例中国ブロックで復活し、2009年に初当選します。
初当選後は、情報通信分野を扱う議員連盟の設立に関わり、事務局長を務めました。行政側で制度に携わってきた経験を持つ議員として、国会でも情報通信を主要分野の一つにしました。
2012~2013年の連敗、維新の党から国政へ復帰
2012年の第46回衆議院議員総選挙では岡山1区で敗れ、比例復活もできず議席を失いました。その後、民主党を離れます。
2013年7月には無所属で参議院岡山県選挙区へ立候補し、180,864票を得たものの次点。同年10月には再び岡山市長選挙へ挑み、こちらも2位で届きませんでした。
2014年の衆院選を前に、維新の党から岡山1区での出馬要請を受けます。高井氏は野党再編を進める必要があるとの考えを示し、要請を受け入れました。
政治家になることは手段であり、目的ではありません。
出典:高井たかし公式サイト「第47回衆議院議員選挙に向けて」(2014年11月26日)
第47回衆議院議員総選挙では、比例中国ブロックで復活当選し、2年ぶりに国政へ戻りました。本人の活動記録では、第190回国会で衆議院議員の中で最も長い質問時間を記録したとしています。
| 年月日 | 選挙 | 選挙区・地域 | 所属 | 結果 | 得票・順位 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2005年 10月9日 | 岡山市長選挙 初出馬。候補者3人。 | 岡山市 | 無所属 | 落選 | 58,165票 3位 |
| 2009年 8月30日 | 第45回衆議院議員総選挙 小選挙区では落選し、比例中国ブロックで復活当選。衆議院初当選。 | 岡山県 第1区・比例中国ブロック | 民主党 | 当選 (比例復活) | 106,269票 2位 |
| 2012年 12月16日 | 第46回衆議院議員総選挙 重複立候補したが比例復活できず議席を失う。 | 岡山県 第1区・比例中国ブロック | 民主党 | 落選 | 41,258票 2位 |
| 2013年 7月21日 | 第23回参議院議員通常選挙 民主党離党後、無所属で立候補。 | 岡山県 選挙区 | 無所属 | 落選 | 180,864票 2位 |
| 2013年 10月6日 | 岡山市長選挙 2005年以来2度目の岡山市長選挙への立候補。候補者5人。 | 岡山市 | 無所属 | 落選 | 56,371票 2位 |
| 2014年 12月14日 | 第47回衆議院議員総選挙 比例中国ブロックで復活当選し、衆議院議員として2期目。 | 岡山県 第1区・比例中国ブロック | 維新の党 | 当選 (比例復活) | 56,135票 2位 |
| 2017年 10月22日 | 第48回衆議院議員総選挙 比例中国ブロックで復活当選し、衆議院議員として3期目。 | 岡山県 第1区・比例中国ブロック | 立憲民主党 | 当選 (比例復活) | 56,757票 2位 |
| 2021年 10月31日 | 第49回衆議院議員総選挙 れいわ新選組入党後、滋賀3区から重複立候補。候補者4人。 | 滋賀県 第3区・比例近畿ブロック | れいわ新選組 | 落選 | 11,227票 4位 |
| 2022年 7月10日 | 第26回参議院議員通常選挙 れいわ新選組は比例代表で2議席を獲得。高井氏は党内得票順位8位で当選に届かなかった。 | 比例代表 | れいわ新選組 | 落選 | 13,326.841票 8位 |
| 2024年 10月27日 | 第50回衆議院議員総選挙 埼玉13区では落選したが、比例北関東ブロックで復活当選。衆議院議員として4期目。 | 埼玉県 第13区・比例北関東ブロック | れいわ新選組 | 当選 (比例復活) | 22,237票 3位 |
| 2026年 2月8日 | 第51回衆議院議員総選挙 比例北関東ブロックとの重複立候補。議席を失った。 | 埼玉県 第13区・比例北関東ブロック | れいわ新選組 | 落選 | 16,713票 4位 |
立憲民主党で3期目、2020年の除籍
2017年の第48回衆議院議員総選挙では立憲民主党から岡山1区に立候補し、比例中国ブロックで復活。当選3回となりました。
党内では政調副会長、副幹事長を務め、衆議院総務委員会や科学技術・イノベーション推進特別委員会では筆頭理事を経験しました。
2020年4月、緊急事態宣言が出された後に新宿・歌舞伎町の風俗店を利用していたことが判明しました。本人は行動を謝罪して離党届を提出しましたが、立憲民主党はこれを受理せず、除籍処分としました。
山本太郎氏との出会い、れいわ新選組への入党
山本太郎氏との距離が縮まったのは、立憲民主党を除籍される前でした。2019年夏、消費税を廃止したマレーシアへの視察で3日間行動を共にし、政策を学び続ける姿を見て、それまで抱いていた山本氏への印象が変わったと振り返っています。
2020年4月の除籍後、山本氏から再出発を促す言葉をかけられました。
人生でこれほど泣いたことはない
出典:高井たかし公式サイト「れいわ新選組からの出馬を決意した理由」(2021年10月8日)
同年11月には玉木雄一郎氏からの誘いを受け、衆議院会派「国民民主党・無所属クラブ」に参加しました。党籍は無所属のまま政調副会長、第1部会長を務め、議員立法の策定や複数の委員会での質疑に取り組みます。
2021年10月、高井氏は最終的にれいわ新選組から出馬することを決めました。選んだのは、それまで国政選挙を戦ってきた岡山ではなく、滋賀3区でした。
滋賀、参院比例での落選を経て埼玉・北関東へ
2021年の第49回衆議院議員総選挙では滋賀3区で11,227票にとどまり、比例近畿ブロックでも議席を得られませんでした。
翌2022年には参議院比例代表へ転じ、れいわ新選組から立候補。個人名票13,326.841票で党内8位となりましたが、当選には届きませんでした。
その後は党運営に携わりながら、活動の軸を北関東へ移していきます。2024年の衆院選では埼玉13区と比例北関東ブロックから重複立候補しました。
埼玉13区で4期目、2026年の落選まで
2024年10月の第50回衆議院議員総選挙では埼玉13区で3位でしたが、比例北関東ブロックで復活当選し、4期目の国政復帰を果たしました。
国会復帰後も埼玉13区で地域活動を続けました。2025年6月には宮代町での消費税廃止デモについて、地元ボランティアがルート選びから警察への届け出、マイクでの呼びかけまで担った様子を発信しています。
国会では法案への賛否だけでなく、野党間でどのように法案提出や協議が進められたのかについても発信しました。ガソリン暫定税率をめぐる対応では、他党から共同提出の打診を受けた時期や党内手続について自身のXで説明しています。
2025年8月には衆議院財務金融委員会の米国・ワシントン視察に参加。日本の関税交渉に関わった山田重雄駐米大使らから直接話を聞き、現地での調査内容を連続して発信しました。
2026年2月8日の第51回衆議院議員総選挙でも埼玉13区から立候補しましたが、16,713票で4位。比例復活もできず、再び議席を失いました。
その後も党運営には関わり続けました。2026年7月、山本太郎氏が代表を辞任すると、高井氏は最後の役員会で伝えた自身の思いを公開しています。
代表選の期間には、構成員の解任や「れいわローテーション」をめぐって質問が出ると、党規約上の扱いと新代表が判断する事項を整理して説明しました。選挙に出るだけでなく、党内制度を説明する実務も担ってきたことが分かる発信です。
高井たかし氏が取り組んできた政策・政治姿勢
デジタル行政と通信政策
官僚時代から関わってきた情報通信は、国会議員になってからも継続的な政策分野です。本人の活動記録では、2015年、2018年、2019年に国会の委員会で政府横断的なデジタル行政組織について提案した記録を掲載しています。
同じ活動記録には、2015~2019年に携帯電話料金の引き下げを取り上げた質疑も残されています。これらは高井氏自身の提案記録と、その後に政府や事業者が実施した動きを並べたものであり、後の制度変更を高井氏一人の成果とするものではありません。
消費税廃止・減税を掲げる経済政策
れいわ新選組へ移った後は、積極財政と消費税廃止・減税を前面に掲げるようになりました。4期目の2025年3月には、衆議院本会議で税制改正法案への反対討論に立っています。
今、我が国に必要な税制改正は、消費税廃止、少なくとも減税、この一択です。
出典:衆議院「第217回国会 本会議 第7号」(2025年3月4日)
防災と被災者生活再建支援
災害対策では、2018年と2019年の国会で被災者生活再建支援制度の対象拡大を求めました。その後、2020年12月に被災者生活再建支援法が改正され、支援対象が拡充されています。
議席を失った後も防災への発信は続き、2026年8月には災害時の首相による現地入りや避難所環境をめぐり、海外の災害対応も引きながら問題提起しました。
不妊治療、育児休業、生活困窮者支援
社会保障分野では、2016年に不妊治療への保険適用拡大を国会で提案したほか、男性の育児休業取得を促す制度について質問しています。不妊治療への保険適用は2022年4月から拡大され、育児・介護休業法も2021年に改正されました。
新型コロナ禍では、生活困窮者向けの総合支援資金について、2021年1月に再貸付を求めました。同年2月には再貸付制度が設けられ、利用できる貸付期間が延長されています。
動物福祉と8週齢規制
動物福祉も長く取り上げてきた分野です。2015~2016年の国会では、犬猫の販売を生後56日まで制限する「8週齢規制」や動物虐待への罰則強化などを複数の委員会で質問しました。
2019年の動物愛護管理法改正では、虐待への罰則強化や犬猫の販売時期をめぐる規制が改められました。
脱原発依存、行政改革、地方分権
2014年に維新の党から衆院選へ出る際、高井氏は自らがそれまで重視してきた政策として「脱原発依存」「行財政改革」「地方分権」の3分野を挙げました。
所属政党が変わる中でも、中央政府の制度設計だけでなく自治体や地域へ権限を移す議論を政治テーマの一つとしてきました。
高井たかし氏の国会発言をテーマ別に見る
記事本文で扱ったテーマを、本人の国会発言まで深掘りできます。まずは代表的な発言を表示し、関連発言があるテーマだけ追加で確認できます。
自治体の情報セキュリティー
「何としても自治体のセキュリティー対策を万全にしてほしい」
マイナンバー制度をめぐる質疑で、地方自治体の情報セキュリティー強化と総務省の体制整備の必要性を訴えた。
NHKのガバナンスと情報公開
「誰が責任を持って何を決めたのか、わかりにくい状況」
NHK予算に関する討論で、執行部の意思決定や議事録公開を取り上げ、公共放送のガバナンスと説明責任を問題提起した。
NTT法と通信インフラの公共性
「絶対に廃止はいかぬと、大臣、ここで言っていただけませんか」
NTT法をめぐる質疑で、通信インフラの公共的役割を踏まえて現行の規律を維持すべきだとの立場から政府の見解を求めた。
※ 内容の要点は公式一次情報をもとに整理しています。正確な文脈・全文は各リンク先の公式資料から確認できます。
高井たかし氏の考えを動画で見る
2025年11月に埼玉県内で開かれた「おしゃべり会」は、質疑応答まで含む長尺動画です。演説だけでは分かりにくい話し方や、参加者からの質問に答える様子を見ることができます。
高井たかし氏の現在情報
2026年2月の衆議院議員総選挙で落選した後も政治活動を継続している。
- 出生、生年月日、学歴、官僚時代の職歴、主要政治経歴、政策活動を確認
- 民主党候補者公募、江田五月氏との出会い、総務省退職前後、秘書就任を確認
- 生い立ち、2014年の出馬経緯、当時の政策姿勢を確認
- 山本太郎氏との交流、無所属での活動、れいわ新選組入党までの経緯を確認
- 2025年3月4日の税制改正法案への反対討論と消費税政策に関する発言を確認
- 2026年8月5日の新体制で高井たかし氏が幹事長に選任されたことを確認
- 2026年8月6日の党名変更と現在所属を確認
- 2009年衆院選岡山1区の得票数と選挙結果を確認
- 2021年衆院選滋賀3区の得票数と選挙結果を確認
- 2024年衆院選埼玉13区の得票数と比例北関東ブロックでの復活当選を確認
- 2026年衆院選埼玉13区の得票数、順位、落選を確認
- 2020年4月の問題発覚、本人の謝罪、離党届提出を確認
この記事の更新履歴
- 2026年10月2日 経歴の続きと重複政策H2をH3へ整理し、高橋光男・岸本周平記事と同じ見出し階層へ統一
- 2026年10月2日 本文内の手動管理ショートコードと監査用の汎用H3を撤去し、WordPress側の自動表示と内容に即した見出し構造へ整理
- 2026年10月2日 主要見出しを「生い立ち・学歴・経歴」の3本柱へ統一し、既存本文を維持したまま検索意図と読みやすさを整理
- 2026年10月2日 本文の経歴上重要な年月日を赤文字で補強し、重要箇所の視認性を改善
- 2026年10月2日 本文の重要な年月・当選・就任・退任などを赤文字で強調し、重要箇所の視認性を改善
- 2026年9月28日 本人の公式一次情報をテーマ別に確認できる一次情報深掘りセクションを追加・更新。
- 2026年9月8日 記事を新規作成。現況情報を確認し、第51回衆院選落選、幹事長選任、党名変更を反映




















