大串博志氏は、大蔵省・財務省で国際金融や予算編成を経験した後、故郷の佐賀から国政へ進んだ政治家です。
官僚を辞めて初めて選挙に挑んだ2005年から、民主党政権での政府役職、野党再編、衆議院議員7期を経た2026年まで、その人生をたどります。
- 佐賀で育ち、大蔵省・財務省で国内外の金融・財政行政を経験
- 2005年に官僚から国政へ転じ、民主党政権では政府の中で政策を担う
- 野党再編のたびに党運営の中枢を担い、政治改革や佐賀の地域課題にも取り組む
白石町に生まれ、佐賀市嘉瀬町で育つ
大串博志氏は1965年8月31日、佐賀県杵島郡白石町に生まれ、佐賀市嘉瀬町で育ちました。高校卒業まで佐賀で生活しています。
その後、東京で官僚として働き、国会議員になってからも佐賀を政治活動の拠点としてきました。2020年のインタビューでは、地元との距離感を自らこう話しています。
佐賀県出身で高校まで地元で生活し、今でも週末は100%、佐賀にいます。
出典:立憲民主党「財務省出身議員が予算から読み解く、現政権の問題 大串博志 衆議院議員 インタビュー #54」(2020年1月23日)
佐賀西高校から東京大学法学部へ
1984年3月、佐賀県立佐賀西高等学校を卒業しました。その後は東京大学法学部へ進み、1989年3月に卒業しています。
大学卒業後に選んだ進路は政治家ではなく大蔵省でした。1989年4月に大蔵省へ入省し、最初は理財局で財政投融資を担当します。
大蔵省で財政と国際金融の現場を経験
大蔵省では、1993年に大臣官房財務官室係長、1995年には長野県の諏訪税務署長を務めました。中央省庁だけでなく、地方の税務行政も経験しています。
1996年には国際通貨基金(IMF)の日本理事室審議役となりました。アジア通貨危機への対応に携わった時期で、後年、当時指導を受けた経済学者・伊藤隆敏氏との関係を公式Xで振り返っています。
1999年には財務省主計局主査となり、予算編成を担当。2001年からは在インドネシア日本大使館一等書記官として海外勤務を経験しました。
2003年には金融庁監督局銀行第一課の銀行監督調整官へ。財政投融資、国際金融、予算、外交、銀行監督と、官僚時代の担当分野は広範囲に及びました。
財務省を退官し、佐賀2区から選挙へ
2005年3月4日、16年間勤めた財務省を退官しました。その2日後には、佐賀2区の予定候補者として地元の支援者を前に初めてあいさつしています。
同年9月の第44回衆院選では民主党から立候補。佐賀2区では51,299票で今村雅弘氏に届きませんでしたが、比例九州ブロックで復活し、40歳で初当選しました。
初当選から半年ほどたった2006年3月、本人は政治家として目指すものを公式ブログに記しています。
二大政党制が現実のものとなりうるような日本の政治を作ること、これが私の心からの願いであり、政治家としての目標です。
出典:大串ひろしオフィシャルサイト「大串博志春の集い」(2006年3月18日)
2009年の政権交代で財務大臣政務官へ
2009年8月の第45回衆院選では86,098票を獲得し、佐賀2区で小選挙区初勝利。民主党が政権交代を実現した後、鳩山内閣で財務大臣政務官に就任しました。
2011年9月には野田内閣で内閣府大臣政務官となり、国家戦略、経済財政、社会保障・税一体改革、行政改革、金融などを担当します。
さらに2012年2月には復興大臣政務官を兼務し、東日本大震災の被災事業者に対する金融支援にも携わりました。本人は震災から12年を迎えた2023年、当時を次のように振り返っています。
手探り状態の中、被災地域への金融支援等に必死に取り組みました。
出典:立憲民主党「『#震災から12年を考える』党関係者メッセージ」(2023年3月11日)
2012年10月には野田第3次改造内閣で内閣総理大臣補佐官に就任。官僚時代とは異なる立場から、政府の政策形成に関わりました。
政権下野後も比例復活で議席をつなぐ
2012年12月の第46回衆院選では、佐賀2区で63,208票を獲得しましたが今村雅弘氏に敗れました。比例九州ブロックで復活し、3期目へ進みます。
2014年の第47回衆院選でも、小選挙区では古川康氏に敗れましたが、比例復活で4期目となりました。与党議員として政府に入った時期から一転し、再び野党の立場で活動する期間が続きます。
民進党政調会長から希望の党共同代表選へ
2016年9月、民進党の政務調査会長に就任しました。党の政策を取りまとめる責任者として、予算、農業、経済、外交など幅広い分野を扱います。
翌2017年の衆院選では希望の党公認で佐賀2区から出馬し、105,921票で5選。同年11月には希望の党の共同代表選に立候補しました。
共同代表選は玉木雄一郎氏との一騎打ちとなり、所属国会議員53人による投票で玉木氏39票、大串氏14票。代表就任には至りませんでした。
2018年5月には無所属の会幹事長に就任。政党の枠組みが変わる中でも国会活動を続け、2019年末にはカジノをめぐる問題を検証する野党の追及本部長を担いました。
立憲民主党で党運営の中枢を担う
2020年9月、新たに結党された立憲民主党で役員室長に就任。2021年の衆院選では佐賀2区で106,608票を得て6回目の当選を果たし、同年12月から党税制調査会長を務めました。
2022年8月には選挙対策委員長、同年10月には衆議院懲罰委員長に就任。2024年9月の野田佳彦代表による新執行部では、代表代行として党務を総括し、選挙対策委員長も兼務しました。
同年10月の第50回衆院選では95,581票を獲得して佐賀2区で勝利し、7回目の当選となりました。
2026年に中道改革連合へ参加、初めて議席を失う
2026年1月、大串氏は立憲民主党を離れ、中道改革連合へ参加することを表明しました。第51回衆院選には同党から佐賀2区で立候補します。
2月8日の投開票では85,185票。自民党の古川康氏が106,320票を獲得し、大串氏は次点となりました。比例九州ブロックでの復活もなく、2005年以来初めて衆議院の議席を失いました。
翌日、敗戦について報道陣にこう語っています。
それでも勝つことができなかったというのは、私自身の力不足だと思います。
出典:サガテレビ「中道・大串博志氏 今後は『あいさつ回りをしながら考えていきたい』比例復活ならず」(2026年2月9日)
その後は地元へのあいさつ回りを開始しました。2月19日には有明海を訪れた様子を公式Xに投稿しています。
| 年月日 | 選挙 | 選挙区・地域 | 所属 | 結果 | 得票・順位 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2005年 9月11日 |
第44回衆議院議員総選挙
財務省退官後、初めての国政選挙。佐賀2区では今村雅弘氏に次ぐ2位となり、比例九州ブロックで初当選。
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佐賀2区/比例九州ブロック | 民主党 | 比例復活当選 | 51,299票 小選挙区2位/4人 |
| 2009年 8月30日 |
第45回衆議院議員総選挙
小選挙区で初勝利し、2回目の当選。
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佐賀 2区 | 民主党 | 当選 | 86,098票 1位/3人 |
| 2012年 12月16日 |
第46回衆議院議員総選挙
佐賀2区では今村雅弘氏に敗れ、比例九州ブロックで3回目の当選。
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佐賀2区/比例九州ブロック | 民主党 | 比例復活当選 | 63,208票 小選挙区2位/3人 |
| 2014年 12月14日 |
第47回衆議院議員総選挙
佐賀2区では古川康氏に敗れ、比例九州ブロックで4回目の当選。
|
佐賀2区/比例九州ブロック | 民主党 | 比例復活当選 | 82,383票 小選挙区2位/3人 |
| 2017年 10月22日 |
第48回衆議院議員総選挙
希望の党公認で出馬し、5回目の当選。
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佐賀 2区 | 希望の党 | 当選 | 105,921票 1位/3人 |
| 2021年 10月31日 |
第49回衆議院議員総選挙
古川康氏を破り、6回目の当選。
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佐賀 2区 | 立憲民主党 | 当選 | 106,608票 1位/2人 |
| 2024年 10月27日 |
第50回衆議院議員総選挙
7回目の当選。選挙時は立憲民主党代表代行・選挙対策委員長。
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佐賀 2区 | 立憲民主党 | 当選 | 95,581票 1位/4人 |
| 2026年 2月8日 |
第51回衆議院議員総選挙
古川康氏106,320票に対して85,185票。2005年の初当選から続いていた連続当選は7期で途切れた。
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佐賀2区/比例九州ブロック | 中道改革連合 | 落選 | 85,185票 小選挙区2位/2人 |
大串博志氏が取り組んできた政策・政治姿勢
企業・団体献金禁止など政治改革
2024年11月、立憲民主党の政治改革推進本部長となり、政治資金規正法の再改正や企業・団体献金の扱いをめぐる議論を担当しました。
国会では法案提出者として答弁し、政治資金制度をめぐる議論に参加。2025年3月の政治改革特別委員会では、企業・団体献金について党の立場を説明しました。
今、政治への信頼を回復するために企業・団体献金を禁止すべきときに来ています。
出典:衆議院「第217回国会 政治改革に関する特別委員会 第5号」(2025年3月10日)
財政・予算を数字から検証する姿勢
主計局で予算編成に携わった経験を背景に、国会では予算の前提となる成長率や税収見通し、補正予算の使い方などを細かく検証してきました。
2020年のインタビューでは「予算というのは、内閣がこの国をどういう方向にもっていくか、という全体像を表します」と説明。単なる支出額ではなく、政権の政策判断そのものとして予算を見ていることが分かります。
農業政策と有明海の再生
佐賀を地盤とする議員として、農業や水産業も継続して扱ってきました。2025年には、農林水産省の人員削減や農業統計の体制について問題提起しています。
有明海については、2021年に超党派で有明海・八代海等再生特別措置法の改正案を提出し、衆議院農林水産委員会で提出者を代表して趣旨説明を行いました。
有明海、八代海の再生は道半ば。
出典:大串ひろしオフィシャルサイト「有明海特措法改正案の成立に向けて」(2021年3月17日)
社会保障と税負担
社会保障では、医療・介護・障害福祉などのサービスを維持しながら、生活者の保険料や税負担をどう抑えるかという問題を扱っています。
衆院選後の2026年5月にも、連合佐賀青年委員会のフォーラムで「暮らしを支える税と社会保障改革」をテーマに講演し、給付付き税額控除をめぐる議論などを説明しました。
子育て・教育への予算配分
子育て分野では、制度を一律に広げるだけでなく、限られた財源をどこへ重点配分するかを重視してきました。
2020年の予算をめぐるインタビューでは、待機児童を抱える家庭が幼保無償化の恩恵を受けられない状況を挙げ、保育士の待遇改善へ予算を振り向ける必要性を主張しています。
大串博志氏の現在情報
2026年2月の衆議院議員総選挙で議席を失った後も、佐賀県内で地域行事への参加や政策フォーラムでの講演など政治活動を継続しています。2026年8月28日時点で政界引退の表明は確認されていません。
中道改革連合への参加を本人の動画で見る
2026年1月に所属政党を変えた際には、本人公式YouTubeで参加を決めた理由や今後の政治姿勢を説明しています。
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生年月日、出生地、学歴、大蔵省・財務省時代の職歴、政府役職、党役職、当選歴を確認
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東京大学卒業、大蔵省入省、初当選、財務大臣政務官、内閣府大臣政務官、復興大臣政務官の経歴を確認
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2024年9月の立憲民主党代表代行就任、選挙対策委員長兼務を確認
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企業・団体献金禁止をめぐる政策姿勢を確認
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佐賀との関係、財務省での予算・国際金融経験、予算・子育て政策に関する考えを確認
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2026年衆議院議員総選挙時の所属、佐賀2区、7期、出生地、学歴、主要経歴を確認
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2005年を含む過去の衆議院議員総選挙の得票、党派、順位を確認
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2021年衆議院議員総選挙佐賀2区の選挙結果を確認
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2024年衆議院議員総選挙佐賀2区の選挙結果を確認
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2026年衆議院議員総選挙佐賀2区の選挙結果、落選と議席喪失を確認
この記事の更新履歴
- 2026年8月28日 記事を新規作成。現況情報を確認

















































































