山添拓氏は、弁護士として原発事故の被害賠償や労働事件などに携わった後、国政へ進んだ政治家です。
その歩みをたどると、京都で鉄道を眺めていた少年時代から、大学で社会問題に向き合った日々、法律家として当事者の声を聞いてきた経験までが見えてきます。
- 京都で鉄道を身近に感じながら育ち、東京大学と早稲田大学大学院で法律を学びました。
- 学生時代の社会活動と弁護士実務を経て、法律家の立場から政治へ進みました。
- 参議院で国会論戦を重ね、党の政策全体を担う役割へ活動の幅を広げています。
京都・向日市で鉄道を眺めて育つ
山添拓氏は1984年11月20日、京都府向日市に生まれました。幼いころに暮らした集合住宅からは東海道本線と向日町の大きな車両基地が見え、列車を毎日眺めて育ったといいます。
その環境で鉄道への関心が深まり、後に鉄道写真を趣味とするようになりました。駅の立ち食いそばも好み、鉄道は政治活動とは別の山添氏の人物像を知る手がかりの一つです。
京都市立堀川高等学校では人間探究科で学びました。本人は、個性的で興味深い同級生たちに囲まれ、自分自身の個性についても考える高校生活だったと振り返っています。
イラク戦争の年に東京へ、大学で社会を変える活動に出会う
2003年、イラク戦争開戦の年に東京大学へ進学しました。国際社会で戦争が始まる様子を見ながら、山添氏の頭には一つの疑問が浮かんでいたといいます。
21世紀になっても世界はまだ武力によってしか紛争を解決できないのか
出典:山添拓公式サイト「プロフィール」(公開日記載なし)
大学では、それまで自分に縁遠いと感じていた社会運動に参加する先輩たちと出会います。学生自治会による学費値上げ反対の活動にも加わり、大学側へ学生の声を届けました。
反核運動にも関わり、原水爆禁止世界大会へ学生を案内するツアーを企画。2007年には若者たちが憲法や平和について発信した「PeaceNight9」にも参加しています。
ハンセン病療養所で見た「現場に立つ弁護士」
法律家という仕事を意識する過程では、大学時代に訪れた群馬県のハンセン病療養所・栗生楽泉園での経験がありました。そこで元患者の谺雄二氏から、弁護士との出会いや訴訟について話を聞きました。
机上で法律を学ぶだけではなく、事件が起きている場所へ出向き、当事者から直接聞く姿勢を山添氏は重視するようになります。
いろんな事件が起きている現場に行って当事者の話を聞くことがすごく大事だと思います。
出典:しんぶん赤旗「2016参院選 “憲法守る”弁護士予定候補が語る(下)」(2016年2月19日)
2007年に東京大学法学部を卒業すると、早稲田大学大学院法務研究科の未修者コースへ進みました。学費の一部には貸与型奨学金を利用しています。
私もまだ返済を続けています
出典:弁護士ドットコムニュース「キレッキレ質問の山添拓氏、ロースクール制度も斬る 『場当たり政策もうやめて』『優秀さより多様性』」(2024年2月26日)
2010年、新司法試験に初回で合格しました。同じ時期、司法修習生への給費制を守る運動「ビギナーズ・ネット」に参加し、制度の継続を求めて活動します。
司法修習初日、席に給費を受けるための書類が置かれているのを見たとき、自分たちの働きかけで制度が動いた実感を得たと後に語っています。
3.11の年に弁護士登録、原発事故と労働事件へ
2011年に弁護士登録し、東京法律事務所へ入りました。同年3月に東日本大震災と福島第一原発事故が発生し、原発事故被害者の損害賠償に関する仕事を担当します。
労働分野では解雇や賃金、長時間労働の相談に携わり、過労死・過労自死に関する事件にも取り組みました。首都圏青年ユニオンの顧問を務め、国家公務員の賃下げをめぐる訴訟にも関わっています。
刑事事件では、痴漢事件で一審有罪判決を受けた被告人について控訴審で逆転無罪を得た経験もあります。2015年には山添拓法律事務所を開設しました。
安保法制への反対から参院選へ
2015年、安全保障関連法をめぐって国会内外で議論が広がる中、山添氏も弁護士として反対運動に参加しました。その時期に日本共産党から参院選への立候補を要請されます。
法律家として憲法上の自由や人権を国会で議論し、当事者や市民の声を政治へつなぐ役割を担いたいとして立候補を決断。2016年の参院選東京選挙区で初当選しました。
国会論戦を重ね、二期目から党政策委員長へ
国会では法律実務の経験を生かし、政府答弁や法案の条文、制度の運用を具体的に問いただす質疑を重ねました。初当選から約1年後のインタビューでは、自身の質問の仕方についてこう話しています。
事実と道理で迫り、答弁をそのままにさせないことを心がけています。
出典:日本弁護士政治連盟「弁護士議員に聞く 山添拓議員」(2017年10月10日)
2022年7月の参院選では東京都選挙区で再選。2期目に入り、2024年1月の日本共産党第29回大会後の人事で、日本共産党政策委員長に就任しました。常任幹部会委員にも加わっています。
予算審議そのもののあり方についても発信しています。2026年3月には、衆議院での予算案審議期間をめぐり、十分な審議を求める立場から投稿しました。
| 年月日 | 選挙 | 選挙区・地域 | 所属 | 結果 | 得票・順位 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2016年 7月10日 |
第24回参議院議員通常選挙
初当選
|
東京都 選挙区 | 日本共産党 | 当選 | 665,835票 4位 |
| 2022年 7月10日 |
第26回参議院議員通常選挙
2回目の当選
|
東京都 選挙区 | 日本共産党 | 当選 | 685,224票 3位 |
鉄道写真撮影中の線路横断、書類送検と不起訴
鉄道を趣味とする山添氏をめぐっては、2020年11月3日に埼玉県長瀞町で鉄道写真を撮影した際、秩父鉄道の線路を横断したことが問題となりました。
2021年9月18日、本人は埼玉県警秩父署から軽犯罪法違反との指摘を受け、同月16日付で送検されたとの連絡を受けたことを公表しています。
同月30日、さいたま地検秩父支部は山添氏を不起訴処分としました。
山添拓が重視する政策
賃金を上げ、人間らしく働けるルール
労働政策では、最低賃金を全国一律で時給1500円以上へ引き上げることを掲げ、中小企業への支援を組み合わせる方針を示しています。非正規雇用の正規化、フリーランスを含む働く人の権利保護も政策に挙げています。
長時間労働については、残業時間を週15時間、月45時間、年360時間までとする規制を主張しています。
消費税減税と社会保障・教育
暮らしに関する政策では、消費税率を5%へ引き下げ、インボイス制度を廃止する方針を掲げています。学校給食の無償化、大学授業料の半額化と入学金廃止、医療・年金・介護など社会保障の拡充も主張しています。
2026年7月に党政策委員長として発表した緊急経済要求では、消費税5%への恒久減税に加え、最低賃金を時給1500円へ引き上げ、その後1700円を目指すことや、中小企業への直接支援などを示しました。
暮らしの要求に根ざした政策こそすすめるべきだ
出典:しんぶん赤旗「物価高騰・暮らしの危機打開を」(2026年7月15日)
ジェンダー平等と性・家族の権利
ジェンダー政策では、男女間賃金格差の是正と企業による格差の公表、選択的夫婦別姓、同性婚の法制化を掲げています。
2021年12月の参議院予算委員会では、女性活躍推進法に基づく行動計画を策定した2万616社のうち、男女賃金格差の是正を目標に掲げた企業が約7社にとどまる状況を取り上げ、格差の公表を求めました。
2022年3月の法務委員会では、刑法の自己堕胎罪について廃止を求める立場から質問しています。
再審制度と司法の救済
刑事司法では再審制度の見直しにも取り組んでいます。2026年の再審法改正をめぐっては、再審請求審での全面的な証拠開示と、検察官による不服申立ての全面禁止を求めました。
再審法改正は人の人生、命、自由がかかった問題だ
出典:しんぶん赤旗「再審法改定 議連案こそ最良の案」(2026年6月13日)
気候危機とエネルギー転換
気候・エネルギー政策では、2030年度までに二酸化炭素排出量を2010年度比で最大60%削減する目標を掲げ、省エネルギーと再生可能エネルギーの拡大を主張しています。
原子力発電については「原発ゼロ」を掲げ、石炭火力からの撤退も求めています。
憲法9条と外交・安全保障
外交・安全保障では、軍事費の倍増や敵基地攻撃能力の保有、憲法9条改定に反対する立場です。東アジアに対話と協力の枠組みを築くことや、日本の核兵器禁止条約への参加も政策に掲げています。
2025年10月には非核三原則をめぐる議論について、核兵器に依存しない安全保障を求める立場から発信しました。
国際紛争をめぐっては、国際法と「法の支配」を判断基準として示しています。2026年2月、イランをめぐる軍事行動への日本政府の対応について投稿しました。
国内の安全保障制度では、情報機関の権限と市民の権利との関係にも目を向けています。2026年5月、国家情報会議設置法案の参議院審議が始まった際には、過去の情報収集活動への検証がないまま機能を強化することへの懸念を表明しました。
政策以外では、党の活動をめぐって誤解が生じた際に、自身のアカウントで仕組みを説明する発信も行っています。2026年7月には災害救援募金の扱いについて、党活動を支える募金とは別であることを説明しました。
山添拓氏の現在情報
参議院では外交防衛委員会、政治改革に関する特別委員会、憲法審査会に所属。2026年には物価高対策の緊急経済要求や再審法改正をめぐる政策発信を続けている。
山添氏が弁護士から国政へ進む際に、自身の経験や立候補への思いを語った公式動画も公開されています。文章とは異なる本人の話し方や語り口を確認できます。
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生年月日、出身地、学歴、弁護士経歴、当選回数、東京都選挙区、委員会所属を確認
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幼少期、高校・大学時代、司法試験、弁護士経歴、政界入り、政治経歴を確認
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労働、税・社会保障、ジェンダー、気候・エネルギー、外交・安全保障の政策を確認
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日本共産党政策委員長、常任幹部会委員の役職を確認
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ハンセン病療養所訪問、法律家を志した背景、現場重視の姿勢を確認
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2026年の再審法改正に対する政策姿勢を確認
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2016年参院選の得票数、順位、当選を確認
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2022年参院選の得票数、順位、再選を確認
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法科大学院進学、奨学金、司法試験、給費制運動、弁護士実務を確認
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弁護士時代、政界入り、国会質問への姿勢を確認
この記事の更新履歴
- 2026年8月26日 記事を新規作成。現況情報、党役職、委員会所属、選挙歴、公式SNS、主要政策を確認





















































