新潟県政で「住んでよし、訪れてよし」を掲げる花角英世氏。知事になるまでの時間をたどると、航空、鉄道、自動車、観光、海事などを渡り歩いた長い行政官としての歩みがあります。
佐渡から進学し、国の行政、新潟県庁、海上保安庁を経て選挙政治へ進んだ経緯と、知事就任後に向き合ってきた主要な課題を時系列でたどります。
- 交通・観光・航空・海事を横断してきた国土交通行政のキャリアを持つ
- 国と新潟県の行政現場を行き来した後、選挙で選ばれる知事へ転じた
- 県政では財政基盤、安全・安心、地域の活力という長期課題に取り組んできた
花角英世の生い立ち|佐渡で生まれ、新潟で育った学生時代
花角英世氏は1958年5月22日、新潟県佐渡市に生まれました。公開されている経歴では幼少期の細かなエピソードは多くありませんが、新潟県で学び、その後東京の大学へ進んでいます。
花角英世の学歴|新潟高校から東京大学法学部へ
| 区分 | 学校名 | 学部・専攻 | 現在の偏差値・難易度 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 高校 | 新潟県立新潟高等学校 | ― | 72〜73(2026年度・学科別) | 1977年3月卒業 |
| 大学 | 東京大学 | 法学部 | 67.5(文科一類・2027年度) | 1982年3月卒業/法学部は原則文科一類から進学 |
※偏差値・難易度は本人の在学当時ではなく、現在の入試難易度の目安です。新潟高校は2026年度版、東京大学は河合塾Kei-Netの2027年度・文科一類のボーダー偏差値を記載しています。
花角氏は新潟県立新潟高等学校を卒業した後、東京大学法学部へ進みました。新潟県から東京へ進学し、法律・行政を学ぶ環境へ移ったことが、その後の官僚人生につながる大きな転機です。
大学卒業後は運輸省へ入り、交通・航空・海事・観光など幅広い行政分野を歩んでいます。学歴だけを見るのではなく、法学部での学びがその後の行政キャリアへどうつながったかまで見ると、経歴の流れが分かりやすくなります。
高校・大学の現在の入試難易度の目安は、学歴一覧にまとめています。
1977年3月に新潟県立新潟高等学校を卒業し、東京大学法学部へ進学しています。
大学卒業は1982年3月。学生時代の細かなエピソードを公に語る機会は多くありませんが、その後の職業人生は一貫して行政の現場を歩くことになります。
趣味として公表しているのは山歩きや街歩きです。知事就任後の2018年、休日について尋ねられた際には、次のように話していました。
休日ができたら、ふらっとまち歩きをしてみたい
出典:新潟建設新聞「花角英世新潟県知事インタビュー『住んでよし、訪れて良しの新潟へ』」(2018年10月17日)
花角英世の経歴|運輸省で交通・航空・海事・観光行政を歩く
大学卒業直後の1982年4月、運輸省に入省しました。若手・中堅期には地域交通局、航空局、海上交通局で勤務し、地域交通から航空管制の保安、海事産業まで異なる交通分野を経験します。
1994年2月には外務省へ出向し、在イタリア日本国大使館一等書記官となりました。帰国後は大臣官房文書課企画官などを経て、1999年10月には運輸大臣秘書官に就いています。
2000年7月には関東運輸局自動車第一部長。2002年7月には国土交通省を離れ、つくばエクスプレスを運営する首都圏新都市鉄道株式会社の経営企画部長を務めました。
国土交通省へ戻った後は、自動車の技術安全部門から観光行政へ活動領域を広げます。観光事業課長、観光政策課長を経て、2008年10月には観光庁発足時の総務課長となりました。
その後は自動車交通局総務課長、大阪航空局次長を経て、2011年8月に大阪航空局長。2012年9月には海事局・港湾局を担当する大臣官房審議官となり、陸・海・空と観光の各分野を横断する官僚経歴を重ねました。
新潟県副知事から海上保安庁次長へ
長く国の行政に携わった後、2013年4月に新潟県副知事へ就任します。ここで、中央省庁ではなく新潟県そのものの行政運営に直接関わる立場になりました。
副知事を務めたのは2015年まで。同年9月には国へ戻り、海上保安庁次長に就任しました。海上保安庁では長官に次ぐ幹部として勤務し、2018年1月の衆議院予算委員会にも政府参考人として出席しています。
2018年5月15日、海上保安庁次長を辞職します。運輸省への入省から36年余りを経て、ここから初めて選挙によって公職を目指す道へ入りました。
前知事辞任後の2018年知事選へ
2018年の新潟県知事選は、米山隆一前知事の辞任に伴って行われました。元副知事で海上保安庁次長だった花角氏には、県内の団体などから出馬要請が寄せられ、5月に立候補の意思を表明します。
選挙では無所属で立候補しました。自民党・公明党が支援する一方、本人は県政を国政政党間の対立だけで捉えない姿勢を示し、県民の安全・安心や地域経済などを訴えました。
6月10日の知事選で546,670票を獲得し、初当選。長く任命によって役職を担ってきた行政官から、県民の投票で選ばれる知事へ立場が変わりました。
6月12日に初登庁し、新潟県知事として県政運営を始めています。
就任直後に向き合った行財政改革
知事就任後、県政運営の土台として重い課題になったのが財政でした。新潟県は歳出歳入改革を急ぐ必要があるとして、外部有識者を交えた行財政改革推進会議を設けます。
2019年10月、「新潟県行財政改革行動計画」を策定。県職員給与や議員報酬の削減、補助金の見直しなどを含む歳出歳入改革を進めました。
花角氏は2023年のインタビューで、就任時には財政調整基金が約2年で底をつくと見込まれる状態だったと振り返っています。同インタビューでは、計画最終年度の2023年度に単年度収支の均衡などの目標へ到達したとの認識を示しました。
財政面の余力を確保する作業と並行して、防災、健康、起業・創業、交流人口の拡大を県政の柱として進めていきます。
2期目に深めた「新潟の魅力」の発信
2022年5月29日の知事選では703,694票を得て再選しました。2期目に入ると、財政基盤の立て直しだけでなく、新潟県が持つ資源や産業をどう成長につなげるかというテーマが前面に出てきます。
就任後に行った約3,000人規模の県民意識調査について、花角氏は2023年のインタビューで興味深い数字を紹介しています。「新潟県が好き」と答えた人は約8割だった一方、「魅力的」とした人は約6割、「魅力を発信すべき」は約5割、自ら発信している人は1割未満だったという結果です。
もっと県民のみなさんが新潟の魅力に気づき、誇りを持って語れるようになってほしい
出典:自治体通信Online「成長発展へのポテンシャルを活かし、県民自らが魅力を語りたくなる社会へ」(2023年12月18日)
「佐渡島の金山」世界遺産登録まで
知事在任中の大きな出来事の一つが、「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録です。県は佐渡市や国、民間団体などとともに世界遺産登録に向けた活動を続けました。
国内推薦候補に選ばれた後には、ユネスコへの推薦をめぐって政府内で調整が続きました。2026年のNST新潟総合テレビの取材では、当時、花角氏が政府側へ強く働きかけていたことを鷲尾英一郎衆議院議員が振り返っています。
2024年7月27日、「佐渡島の金山」は世界文化遺産に登録されました。花角氏自身もインドで開かれた世界遺産委員会の現地に立ち会っています。
私の夢というよりも、長い間、一生懸命運動してきた人たちの思いに共感できた
出典:NST新潟総合テレビ「新潟・花角知事が語る“県政の夢”…1・2期目に尽力した世界遺産登録」(2026年6月6日)
柏崎刈羽原発をめぐる判断
東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働は、花角県政を通じて長く議論が続いた課題です。2024年3月21日、県は国から6、7号機の再稼働に向けた政府方針への理解要請を受けました。
県は技術委員会による安全性の確認、避難に関する課題、県民の受け止めなどを材料に議論を続けます。花角氏は自ら結論を示した後、その結論について県民の意思を確認するという考えを繰り返し示していました。
2025年11月21日、国の理解要請を了解する判断を表明。同時に、その判断を行ったことと、判断に沿って知事の職務を続けることについて、県議会に信任・不信任の判断を仰ぐ方法を選びました。
12月22日、新潟県議会は再稼働関連の補正予算に関する附帯決議を可決し、知事が職務を続けることを「是」とする意思を表明しました。翌23日、花角氏は国への理解要請を了解する旨を正式に伝えています。
柏崎刈羽原発6号機は2026年4月16日、約14年ぶりに営業運転を開始しました。県はその後も、6方向への避難路整備や学校体育館24か所の気密化・空調整備など、原子力防災対策を進めています。
2026年の知事選で3選
2期目の任期が終盤に入った2026年2月、花角氏は3期目を目指して知事選へ立候補する意向を表明しました。決断の理由を一つの政策に絞るのではなく、やり残した仕事やこれから進められる仕事を含めて考えたと説明しています。
私がやるべきことがある、やれることがある
出典:新潟県「令和8年2月18日 新潟県知事 定例記者会見」(2026年2月18日)
4月6日には、本人公式XでSNS発信を再開しました。
選挙戦最終日の発信では、街宣用マイクを使える時間が終わった後も活動を続ける様子を伝えています。
5月31日の投開票では554,012票を獲得。土田竜吾氏、安中聡氏を上回り、新潟県知事に3選しました。
花角県政が重視する政策
3期目が正式に始まった2026年6月10日、県政運営の基本姿勢を問われた花角氏は、最初に安全・安心を挙げました。
県民の安全と安心を守るということが第一
出典:新潟県「令和8年6月10日 新潟県知事 定例記者会見」(2026年6月10日)
人口減少と若者・女性に選ばれる職場
2026年6月の県議会では、人口減少問題を県政の最重要課題と位置付けました。2025年国勢調査の速報値では県人口が約207万人となり、2025年の出生数も9,580人まで減少しています。
特に問題視しているのが、就職時期の若者、とりわけ女性の県外流出です。働きやすい職場づくりを進める県の企業認定制度「Ni-ful(ニーフル)」は、2026年5月末までに800社を超える企業を認定しました。
固定的な性別役割分担意識の解消も人口減少対策の一部として扱い、市町村との連携や若者との意見交換を進める方針を示しています。
防災・減災
自然災害への対応では、避難所の衛生、プライバシー、暑さ・寒さへの対策を含む環境整備方針の策定を進めています。
2025年度の冬は雪による死者が25人に達し、過去10年間で最多となりました。県は屋根雪下ろし時の安全対策、担い手確保、新技術の活用などを含む雪害防止の緊急対策をまとめています。
地域医療の持続可能性
医療では、人口減少と医療需要の変化を前提に圏域単位で医療提供体制を組み直す方針です。上越圏域では医療再編の全体像について関係者の合意が形成され、具体化に向けた協議が続いています。
医師確保策では大学医学部の地域枠を拡大し、2027年度分として合計83人の地域枠設置を国へ申請しました。
2026年5月、本人公式Xでも2期8年の取り組みの一つとして地域医療を取り上げています。
起業支援と成長投資
起業・創業支援では、2021年度までに県内8か所の起業家支援拠点を整備。花角氏は2023年のインタビューで、3年半に145人の起業家が誕生したと説明しています。
3期目では成長投資の対象をさらに広げています。2026年には食品産業を基盤とする「フードテック」の産業クラスター構想を進めるほか、新潟東港エリアなど県内3地域が国のGX戦略地域制度の「有望地域」に選定されました。
米どころ新潟の農業をどう持続させるか
農業では主食用米だけでなく、加工用米、輸出用米、米粉用米、酒造好適米など需要のある非主食用米への転換を促し、新潟米全体で所得を高める方針です。
高温への対応では、極早生の高温耐性品種「なつひめ」の一般栽培が2026年に始まりました。園芸では収益性の高い経営体づくりや中山間地域の農業維持も課題としています。
県内をつなぐ交通ネットワーク
交通政策では、豪雨災害で不通区間を抱える米坂線や大糸線の将来像について沿線自治体・鉄道事業者との協議を続けています。
さらに、新潟地域と上越地域を結ぶ鉄道の高速化を進め、将来的には羽越新幹線を見据えた国家プロジェクトに位置付けることを目指しています。新潟空港の2025年度利用者数は約115万人となり、感染症拡大前の2019年度を上回りました。
佐渡などを支える離島航路では、船舶価格の上昇による更新負担を課題とし、国の支援拡充を求めています。運輸官僚として扱ってきた鉄道、航空、海運が、知事としても県土づくりの主要分野になっています。
| 年月日 | 選挙 | 選挙区・地域 | 所属 | 結果 | 得票・順位 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2018年 6月10日 | 新潟県知事選挙 | 新潟県 | 無所属 | 当選 | 546,670票 1位 |
| 2022年 5月29日 | 新潟県知事選挙 | 新潟県 | 無所属 | 当選 | 703,694票 1位 |
| 2026年 5月31日 | 新潟県知事選挙 | 新潟県 | 無所属 | 当選 | 554,012票 1位 |
花角英世氏の記者会見をテーマ別に見る
記事本文で扱ったテーマを、本人の記者会見まで深掘りできます。まずは代表的な発言を表示し、関連発言があるテーマだけ追加で確認できます。
柏崎刈羽原発と安全確認
「安全第一に慎重に作業を進めてもらいたい」
柏崎刈羽原発6号機の再稼働後のトラブルについて、原因究明を優先し、安全第一で慎重に作業するよう求める姿勢を示した。
財政運営と当初予算
「堅実、健全な財政運営に努めていく」
行財政改革を継続しながら中期財政収支見通しを示し、収支均衡を意識した令和8年度予算編成を進める考えを説明した。
人口減少への適応と対策
「この人口の減少はもう不可避」
人口減少が長期的に続く前提を認めた上で、総合計画と人口ビジョンに基づき、減少社会に適応しながら地域の持続性を高める必要性を述べた。
※ 内容の要点は公式一次情報をもとに整理しています。正確な文脈・全文は各リンク先の公式資料から確認できます。
就任時の会見を動画で見る
2018年6月12日の初登庁後に行われた知事就任記者会見は、新潟県公式YouTubeで公開されています。文章だけでは分かりにくい話し方や受け答えも確認できます。
花角英世氏の現在情報
人口減少を県政の最重要課題に位置付け、若者・女性に選ばれる職場づくり、安全・防災、成長投資、地域医療、農業、交通ネットワークなどを進める方針を示している。柏崎刈羽原発6号機の営業運転開始後も、避難路や屋内退避環境を含む原子力防災を継続課題としている。
本文内の関連投稿に加えて、本人の公式Xから最新の投稿を表示しています。
@hideyohanazumi の公式Xを見る- 氏名読み、学歴、運輸省以降の職歴、新潟県副知事、海上保安庁次長、新潟県知事3期目を確認
- 生年月日、佐渡市出身、主要経歴、知事3期目を確認
- 佐渡市生まれ、新潟県立新潟高等学校、東京大学法学部、主要職歴、公式サイトを確認
- 行財政改革推進会議、新潟県行財政改革行動計画を確認
- 国からの理解要請、2025年11月の知事判断、県議会での意思確認、国への回答を確認
- 3期目の県政方針、人口減少、防災、医療、原子力防災、成長投資、農業、交通政策を確認
- 2024年7月27日の世界文化遺産登録を確認
- 2026年知事選への立候補判断、2期目の課題、本人発言を確認
- 就任初期の県政方針、防災・交通への考え、本人の人物像を確認
- 県民意識調査、起業支援、行財政改革、県の魅力に関する本人発言を確認
この記事の更新履歴
- 2026年10月2日 H2過多を整理し、主要章はH2、経歴イベント・政策細目はH3へ統一。本文内容は削除せず維持
- 2026年10月2日 学歴後の最初の職歴・政界入りを経歴H2へ再配置し、後続の経歴項目を人物固有H3へ整理
- 2026年10月2日 本文内の手動管理ショートコードと監査用の汎用H3を撤去し、WordPress側の自動表示と内容に即した見出し構造へ整理
- 2026年10月2日 本文内の公式X投稿が5件未満の記事について、既存の関連投稿を保持したまま本人公式Xの最新投稿で不足分を補完
- 2026年10月2日 主要見出しを「生い立ち・学歴・経歴」の3本柱へ整理し、既存本文を削除せず検索意図と読みやすさを統一
- 2026年10月2日 本文の重要な年月・当選・就任・退任などを赤文字で強調し、重要箇所の視認性を改善
- 2026年9月28日 自治体公式の知事記者会見等を一次情報としてテーマ別に確認し、一次情報深掘りセクションを追加・更新。
- 2026年9月8日 花角英世氏の記事を新規作成。3選後の公職・所属・選挙結果・3期目の政策方針など現況情報を確認




















