嘉田由紀子の経歴・学歴と生い立ち|琵琶湖研究から滋賀県知事、参議院議員へ

嘉田由紀子
ひと目でわかるプロフィール 嘉田由紀子
かだ ゆきこ
出身地
埼玉県本庄市
初当選
2006年(滋賀県知事選挙)
最終学歴
京都大学大学院農学研究科農林経済学専攻博士課程単位取得満期退学(京都大学博士〔農学〕取得)
主な前職
地方公務員、大学教員・研究者
政界入り
専門職から
生年月日 1950年5月18日
血液型 AB型

嘉田由紀子氏は、琵琶湖を研究してきた環境社会学者であり、大学教授、滋賀県知事を経て国政へ進んだ政治家です。研究者として水と人の暮らしを追い続けた時期と、行政・政治の現場で政策を担った時期が、一つの経歴の中に続いています。

その出発点をたどると、埼玉で過ごした少女時代、京都への進学、東アフリカでのフィールドワーク、そして琵琶湖周辺の村々で重ねた調査へ行き着きます。

嘉田由紀子氏を理解する3つのポイント
  1. 学生時代の海外調査から水と暮らしを研究し、琵琶湖研究と博物館づくりへ進んだ研究者です。
  2. 大学教授から滋賀県知事へ転じ、公共事業の見直しや流域治水などを県政で扱いました。
  3. 知事退任後に国政へ挑戦し、参議院では子ども・家族、防災、水環境などを継続して取り上げています。

嘉田由紀子の生い立ち|埼玉の養蚕農家に生まれ、滋賀にひかれた少女時代

嘉田氏は1950年5月18日、埼玉県本庄市の養蚕農家に生まれました。本人の回想では歴史が好きな少女で、中学3年生の修学旅行が、その後長く暮らすことになる滋賀への関心を深める機会になりました。

修学旅行の帰路、東海道線の列車から安土山の周辺を見たときの記憶を、嘉田氏は60年後にも書き残しています。織田信長に関心を持っていた少女にとって、歴史の舞台と水田が広がる近江の風景は強い印象を残しました。

「滋賀県に来たい!とあこがれました。」

出典:嘉田由紀子公式サイト「Facebook 2025年3月16日 滋賀県立安土城考古博物館リニューアル内覧会に参加」(2025年3月16日)

高校は埼玉県立熊谷女子高等学校へ進みました。1960年代の高校時代には、文化人類学者・梅棹忠夫氏の著作を読み、人類の暮らしを現場で学ぶためアフリカへ行きたいという思いを強くしたと後年振り返っています。

嘉田由紀子の学歴|京都大学探検部から東アフリカへ、水問題を研究テーマに

1969年に京都大学へ進学。本人の回想によれば、アフリカ調査を目指して探検部へ入りました。当時の探検部には女性が入りにくい慣行があったものの、比較文明や人類学の研究会にも参加しながら活動の場を広げていきました。

1971年にはタンザニアのマンゴーラ村に入り、現地で生活しながらフィールドワークを経験します。電気、水道などの生活基盤が日本とは異なる地域で、人と水、食料、自然環境の関係を体験的に考える時間になりました。

「コップ一杯の水の価値」

出典:嘉田由紀子公式サイト「Facebook 2022年6月19日 京大創立125周年式典とフォーラム」(2022年6月19日)

京都大学農学部農林経済学科を卒業した後はアメリカへ留学し、1975年にウィスコンシン大学大学院修士課程を修了しました。その後、京都大学大学院農学研究科の博士課程へ進みます。

本人は、アメリカで水と人間文化を研究するなら日本にも格好のフィールドがあると助言を受けたことを振り返っています。そこで研究対象として深く入っていったのが、学生時代からひかれていた滋賀と琵琶湖でした。

琵琶湖研究から「地域の人とつくる博物館」へ

1981年、嘉田氏は滋賀県の琵琶湖研究に研究員として加わりました。自然科学だけでなく、湖の周辺で暮らす人々が水をどう利用し、農業や漁業、生活文化を築いてきたのかを現地調査から考える研究を続けます。

1987年には「琵琶湖の水問題をめぐる生活環境史的研究」で京都大学から博士(農学)の学位を取得しました。研究の対象は湖そのものだけではなく、水と人間の暮らしの関係でした。

研究と並んで長く関わったのが滋賀県立琵琶湖博物館の構想です。本人は1985年ごろに博物館構想を提案し、約10年にわたる準備を経て1996年の開館へつながったと振り返っています。

1997年から滋賀県立琵琶湖博物館の総括学芸員を務め、2000年には京都精華大学人文学部教授に就任しました。県内各地でのフィールドワーク、研究、博物館活動、大学教育という経験を重ねた後、次に選んだのは選挙への立候補でした。

人生年表 嘉田由紀子さんの歩み
1950年5月18日
埼玉県本庄市の養蚕農家に生まれる
1969年
京都大学へ進学
探検部で活動
1971年
東アフリカでフィールドワーク
タンザニアの村で生活調査
1973年3月
京都大学農学部農林経済学科を卒業
1975年5月
ウィスコンシン大学大学院修士課程を修了
1981年3月
京都大学大学院農学研究科博士課程を単位取得満期退学
1981年
琵琶湖研究に本格的に携わる
滋賀県の研究機関で研究員として活動
1987年3月
京都大学博士(農学)を取得
「琵琶湖の水問題をめぐる生活環境史的研究」
1997年4月
滋賀県立琵琶湖博物館総括学芸員に就任
2000年3月まで
2000年4月
京都精華大学人文学部教授に就任
2006年7月まで
2006年7月
滋賀県知事に初当選
2010年7月
滋賀県知事に再選
2012年11月
日本未来の党代表に就任
国政政党の代表を務める
2014年7月
滋賀県知事を退任
2期8年
2014年10月
びわこ成蹊スポーツ大学学長に就任
2017年9月まで
2017年10月
衆議院議員総選挙・滋賀1区に立候補
落選
2019年7月
参議院議員に初当選
滋賀県選挙区
2023年6月
国民民主党に入党
2023年11月
教育無償化を実現する会の結成に参加
副代表
2024年10月
日本維新の会に合流
2025年7月
参議院議員に再選
全国比例

嘉田由紀子の経歴|「三つのもったいない」を掲げ、2006年に滋賀県知事へ

2006年、京都精華大学教授だった嘉田氏は滋賀県知事選への立候補を決めます。政治家や議員秘書からの転身ではなく、研究・教育の世界から直接知事選へ挑む形でした。

選挙では「もったいない」をキーワードに、税金の使い方、子ども・若者、琵琶湖と環境などを訴えました。政党・団体の大規模な支援基盤を持たない新人候補として、現職知事らと争いました。

「政策を分かりやすく、心に訴えるようにすること」

出典:スポーツ報知「元滋賀県知事、嘉田由紀子氏が『現職VS新人』都知事選の戦い方教えます」(2020年7月1日)

2006年7月の滋賀県知事選で初当選し、研究者から自治体行政のトップへ立場を移しました。

選挙時に争点となった一つが、栗東市で計画されていた東海道新幹線新駅でした。嘉田知事は「限りなく中止に近い凍結」を掲げ、就任後も関係自治体やJR東海などとの協議が続きます。2007年10月31日、基本協定や工事協定などが終了し、県は公約として掲げた新駅の「凍結」が実現したと整理しました。

2期目の県政で進めた流域治水

2010年の滋賀県知事選では再選を果たし、2期目に入りました。嘉田県政で長く取り組まれたテーマの一つが、河川の中だけで洪水を防ぐのではなく、流域全体で水害リスクを考える「流域治水」です。

滋賀県では、河川整備に加え、氾濫が起こった場合の地域づくりや避難、土地利用、水害リスク情報の提供などを組み合わせる政策を進めました。2014年3月には「滋賀県流域治水の推進に関する条例」が県議会で可決され、公布されています。

知事在任中の2012年には国政政党「日本未来の党」の代表にも就任しました。11月30日の日本記者クラブ党首討論会には、日本未来の党代表として参加しています。嘉田氏自身はこの衆院選の候補者にはならず、知事職を続けました。

2014年7月、2期8年で滋賀県知事を退任。同年10月からはびわこ成蹊スポーツ大学学長を務めました。政治の現場からいったん大学教育へ戻った形ですが、その後、国政選挙へ挑むことになります。

衆院選での落選を経て、2019年に参議院議員へ

2017年の衆議院議員総選挙では、無所属で滋賀1区から立候補しました。大岡敏孝氏との争いとなり、79,724票を得ましたが届かず、初めての国政選挙は落選となりました。

次の国政挑戦は2019年の参議院議員選挙です。滋賀県選挙区で無所属候補となり、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、社会民主党の推薦を受けました。291,072票を得て参議院議員へ初当選しました。

参院入り後は無所属議員として活動し、その後、国民民主党・新緑風会の会派に参加。2023年6月には国民民主党へ正式に入党しました。

「問題に対して先手先手で解決策を示していく政治を、国民民主党でさらに進めていきたい」

出典:国民民主党「嘉田由紀子参議院議員が国民民主党に入党」(2023年6月7日)

教育無償化を実現する会から日本維新の会、全国比例で2期目へ

2023年11月、嘉田氏は国民民主党を離れ、前原誠司氏らと「教育無償化を実現する会」を結成しました。前原氏が代表、嘉田氏が副代表を務めました。

翌2024年には同党の議員らとともに日本維新の会へ合流。2025年の参議院議員通常選挙では、これまでの滋賀県選挙区ではなく、日本維新の会の全国比例候補として立候補しました。

2025年7月の参院選で再選し、参議院議員2期目に入りました。本人は選挙後、全国比例という選挙を、それまで経験してきた滋賀県内の選挙とは異なるものだったと振り返っています。

国会では委員会質疑を重ね、法務分野に加えて、子育て、水害対策、公共事業と政策効果などを取り上げています。

「国民目線で見させていただく」

出典:嘉田由紀子公式サイト「2026年5月11日【決算委員会】確定稿」(2026年5月11日)

嘉田由紀子氏が掲げる政策・政治姿勢

嘉田氏は2025年の参院選後、自身が政治で目指すものを次の言葉で表しています。

「政治家の仕事は国民の皆さんの『幸せの最大化』と『不幸の最小化』です。」

出典:嘉田由紀子公式サイト「思い」(2025年7月29日)

子ども・家族と離婚後の養育

国政入り後に継続して扱っているテーマの一つが、離婚後の親権、養育費、親子交流など家族法の問題です。2024年に成立した民法等改正法は2026年4月1日に施行され、離婚後に父母双方を親権者と定める選択肢などが導入されました。

嘉田氏は法改正後の運用についても、家庭裁判所、自治体窓口、共同養育などを参議院法務委員会で取り上げています。2026年4月の法務委員会では、家裁調査官の知見を司法判断へ生かす取組や、制度導入に伴う裁判官の対応について質問しました。

教育・子育ての負担軽減

2025年の政策では、高等教育の無償化、学校給食の無償化、奨学金返済負担の軽減を掲げました。また、育児や介護を特定の家族だけに集中させない「共稼ぎ・共育て」社会を訴えています。これらは選挙時に掲げた政策であり、制度として実現済みの事項とは区別する必要があります。

流域治水と災害対策

知事時代から続く政策テーマが水害対策です。国政では、河川内の治水施設だけでなく森林、農地、土地利用、避難行動まで含めて考える流域治水を各地で訴えています。

現在掲げる政策には、防災・復興を担う行政体制、事前防災、「マイタイムライン」の普及なども含まれます。2026年5月の参議院決算委員会でも、公共事業の政策効果を検証する文脈から流域治水や河川政策を取り上げました。

環境・エネルギー、農林水産業

環境分野では再生可能エネルギーの拡大と地域でのエネルギー利用、流域の森林から市街地までを一体で考えるグリーンインフラを掲げています。

農林水産業では、農地の維持、農業者の所得確保、担い手不足への対応と食料安全保障を政策項目に置いています。研究者時代から扱ってきた水、農村、環境という領域が、国政での政策項目にも残っています。

動画で見る嘉田由紀子氏の原点

本人公式サイトでは、研究者としての原点から政治家として活動するまでを本人が語る動画を掲載しています。文章では分かりにくい話し方や本人の振り返りを確認できる資料です。

本人の公式Xで見る最近の発信

本人公式Xでは、政策や地域活動について継続的に発信しています。以下は本人アカウントで確認できる投稿です。

日々の政策・地域活動に関する本人の発信です。

日々の政策・地域活動に関する本人の発信です。

日々の政策・地域活動に関する本人の発信です。

嘉田由紀子氏の国会発言をテーマ別に見る

一次情報を深掘り

記事本文で扱ったテーマを、本人の国会発言まで深掘りできます。まずは代表的な発言を表示し、関連発言があるテーマだけ追加で確認できます。

離婚後の共同養育・共同親権

このテーマの関連発言をさらに見る 2件
参議院 法務委員会

改正民法施行後の共同親権制度をめぐり、子の利益を軸に制度運用や子の連れ去り問題を質問した。

国会会議録で発言全文を見る

防災・復興体制

このテーマの関連発言をさらに見る 1件
参議院 災害対策特別委員会

事前防災、緊急対応、復旧・復興を切れ目なくつなぐ組織と仕組みの必要性を取り上げた。

国会会議録で発言全文を見る

流域治水・ダム政策

このテーマの関連発言をさらに見る 1件
参議院 災害対策特別委員会

球磨川流域の河川整備計画をめぐり、費用便益評価だけでなく被災者・溺死者の実態を政策検証へ反映するよう質問した。

国会会議録で発言全文を見る

グリーンインフラ・生物多様性

このテーマの関連発言をさらに見る 1件
参議院 災害対策特別委員会

滋賀県知事時代の流域治水条例づくりに触れつつ、生態系ネットワークを生かしたグリーンインフラの全国事例を質問した。

国会会議録で発言全文を見る

※ 内容の要点は公式一次情報をもとに整理しています。正確な文脈・全文は各リンク先の公式資料から確認できます。

嘉田由紀子氏の現在情報

2026年9月25日 時点
現在の公職 参議院議員
現在の所属 日本維新の会
選挙区・選出地域 比例代表
現在の期・任期 参議院議員2期目
現在の主な役職
参議院法務委員会委員 参議院決算委員会理事 参議院災害対策及び東日本大震災復興特別委員会委員

2025年参院選で全国比例から2期目に当選。2026年9月時点では日本維新の会所属の参議院議員として、法務、決算、災害対策などの委員会で活動している。

関連書籍
嘉田由紀子さんの著書・関連書籍
球磨川流域ものがたり 水害、ダム問題に挑む女性たち
書籍
球磨川流域ものがたり 水害、ダム問題に挑む女性たち
著者:嘉田由紀子 / 出版社:つり人社 / 発売日:2026年06月30日頃
子どもは誰のものか? 離婚後「共同親権」が日本を救う
書籍
子どもは誰のものか? 離婚後「共同親権」が日本を救う
著者:嘉田 由紀子 / 出版社:文藝春秋 / 発売日:2025年05月16日頃
水と生きる地域の力 琵琶湖・太湖の比較から
書籍
水と生きる地域の力 琵琶湖・太湖の比較から
著者:楊 平/嘉田 由紀子 / 出版社:サンライズ出版 / 発売日:2022年11月08日頃

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政治人生の転機 嘉田由紀子の政治人生の転機
01
1971年
東アフリカでのフィールドワーク
京都大学在学中、タンザニアの村で生活調査を経験し、水や食料と暮らしの関係を現場で考えるようになった。
なぜ転機なのか 本人が後年、水問題への関心につながった経験として明確に振り返っている。
02
2006年
研究者から滋賀県知事へ
京都精華大学教授から滋賀県知事選へ立候補し、初当選した。
なぜ転機なのか 研究・教育を中心としていた経歴から、選挙で選ばれる行政トップへ立場が変わった。
03
2014年
知事退任と大学教育への復帰
2期8年で滋賀県知事を退任し、びわこ成蹊スポーツ大学学長へ就任した。
なぜ転機なのか 首長職を離れた後、再び大学教育の現場へ移った。
04
2019年
参議院議員として国政へ
2017年衆院選での落選を経て、2019年参院選滋賀県選挙区で初当選した。
なぜ転機なのか 地方行政の首長経験者から、国政の立法府で活動する議員へと政治活動の場が変わった。
選挙歴 嘉田由紀子の選挙歴
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年月日選挙選挙区・地域所属結果得票・順位
滋賀県知事選挙
定数:1 比例復活:該当なし
新人として初当選
滋賀県 無所属 当選 217842 1位
滋賀県知事選挙
定数:1 比例復活:該当なし
2期目
滋賀県 無所属 当選 419921 1位
第48回衆議院議員総選挙
定数:1 比例復活:なし
前滋賀県知事として立候補
滋賀県 第1区 無所属 落選 79724 2位
第25回参議院議員通常選挙
定数:1 比例復活:該当なし
立憲民主党、国民民主党、日本共産党、社会民主党の推薦を受けた野党統一候補
滋賀県 選挙区 無所属 当選 291072 1位
第27回参議院議員通常選挙
定数:50 比例復活:比例代表
全国比例で2期目
比例代表 日本維新の会 当選 101566.655 日本維新の会候補者別得票1位
参考・出典 この記事で参照した主な資料
公式・一次情報
選挙・公的資料
その他の参考資料

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