濵田省司の経歴・学歴と生い立ち|自治省から大阪府副知事を経て高知県知事へ

濵田省司
ひと目でわかるプロフィール 濵田省司
はまだ せいじ
出身地
高知県四万十市
初当選
2019年(高知県知事選挙)
最終学歴
東京大学法学部卒業
主な前職
地方公務員、官僚・国家公務員
政界入り
官僚から
生年月日 1963年1月23日

濵田省司氏は、国と地方の行政現場を行き来しながら34年間にわたって経験を重ね、2019年に故郷・高知県の知事選へ転じた政治家です。

地方財政、防災、税務、内閣府、大阪府副知事と担当領域は幅広く、官僚として歩んだ時間の長さがそのまま知事になるまでの道のりにつながっています。ここでは、四万十市での原点から学生時代、行政官時代、知事選への転身、その後の県政までをたどります。

濵田省司氏を理解する3つのポイント
  1. 四万十市に生まれ、土佐中・高校、東京大学法学部を経て地方自治を担う行政官になりました。
  2. 自治省・消防庁・内閣府などに加え、京都府、福岡県、島根県、大阪府でも行政実務を経験しました。
  3. 2019年に官僚から高知県知事へ転じ、「共感と前進」を掲げて県政を担っています。

濵田省司の生い立ち|四万十市の原風景と土佐中・高校時代

濵田省司氏は1963年1月23日、高知県四万十市の出身です。本人の公式プロフィールでも、故郷を語る際には四万十の自然への思いが前面に出ています。

後援会公式サイトのQ&Aで「これまでで最も美しいと思った景色」を聞かれたとき、挙げたのは有名観光地ではなく、地元の橋から眺めた夜空でした。

四万十市の後川橋から見た満天の星

出典:浜田せいじ official site「浜田せいじQ&A」(公開日記載なし)

1978年3月に土佐中学校を卒業し、1981年3月に土佐高等学校を卒業しました。その後は高知を離れて東京大学法学部へ進学します。

濵田省司の学歴|東京大学法学部から自治省へ

1985年3月に東京大学法学部を卒業すると、翌4月に自治省、現在の総務省へ入省しました。

最初から東京の本省だけで仕事を続けたわけではありません。同年7月には京都府庁へ赴任し、地方課や財政課を担当。1988年4月に自治省財政局財政課へ戻っています。

国の地方自治行政を担う省庁と自治体の現場を往復する働き方は、その後の濵田氏の官僚人生でも繰り返されていきます。

国と地方を行き来した34年の行政キャリア

1991年3月には外務省の在サンフランシスコ日本国総領事館へ移り、副領事・領事を務めました。1995年5月からは福岡県庁で消防防災課長、財政課長を経験しています。

1999年7月には自治省財政局交付税課課長補佐、2001年4月には総務省自治財政局財政課財政企画官となり、2003年4月には島根県総務部長に就きました。

消防庁で国民保護と防災を担当

2006年4月、総務省消防庁国民保護・防災部防災課の国民保護室長に就任します。翌2007年1月に千葉県で行った説明では、国民保護の考え方を短い言葉で表現していました。

あってはならない武力攻撃、なくてはならない国民保護

出典:千葉県「国民保護の仕組みと地方自治体の役割」(2007年1月30日)

2007年4月には総務省自治財政局公営企業課地域企業経営企画室長、2009年7月には消防庁予防課長となりました。防災分野だけでなく、公営企業を含む地方行政の運営にも携わっています。

2011年5月からは自治税務局都道府県税課長、2013年4月から同局企画課長を務めました。地方財政に続いて、地方税制の中枢でも職務を重ねています。

内閣府を経て大阪府副知事へ

2014年7月に総務省大臣官房参事官、2015年7月には内閣府大臣官房審議官となり、経済社会システムを担当しました。

そして2017年7月、濵田氏は大阪府副知事に就任します。中央省庁の政策立案だけでなく、大規模自治体の執行部に入ることになりました。

2019年7月には総務省へ戻り、大臣官房総括審議官としてマイナンバー情報連携や政策企画を担当します。しかし、このポストにいた期間は長くありませんでした。同年8月に総務省を退職し、34年間続いた行政官としての歩みを終えます。

人生年表 濵田省司さんの歩み
1963年1月23日
高知県四万十市で生まれる
1978年3月
土佐中学校を卒業
1981年3月
土佐高等学校を卒業
1985年3月
東京大学法学部を卒業
1985年4月
自治省に入省
現在の総務省
1985年7月
京都府庁で勤務
地方課・財政課
1991年3月
在サンフランシスコ日本国総領事館へ赴任
副領事・領事
1995年5月
福岡県庁で勤務
消防防災課長・財政課長
2003年4月
島根県総務部長に就任
2006年4月
総務省消防庁国民保護室長に就任
2015年7月
内閣府大臣官房審議官に就任
経済社会システム担当
2017年7月
大阪府副知事に就任
2019年7月
総務省大臣官房総括審議官に就任
マイナンバー情報連携・政策企画担当
2019年8月
総務省を退職
34年間の行政官としての経歴を終える
2019年11月24日
高知県知事選挙で初当選
2019年12月7日
高知県知事に就任
1期目
2023年11月26日
高知県知事選挙で再選
2023年12月7日
高知県知事2期目を開始

濵田省司の経歴|2019年、官僚から高知県知事選へ

2019年の高知県知事選は、濵田氏にとって初めての選挙でした。尾﨑正直知事が4期目に出馬しない中、後継候補として擁立され、自民党と公明党の推薦を受けた無所属新人として選挙戦に入ります。

知事就任後の職員訓示で振り返った出馬の動機は、長い行政経験そのものより、その経験を故郷へ返すというものでした。

故郷高知をもっと元気にしたい

出典:高知県「令和元年12月9日 知事訓示」(2020年5月26日)

選挙では松本顕治氏との一騎打ちとなり、濵田氏は173,758票を獲得しました。松本氏の111,397票を上回り、初めての立候補で高知県知事に当選します。

長く行政組織の中で政策を担ってきた人物が、今度は有権者の一票によって県政の最高責任者になることになりました。

知事就任と「共感と前進」、直後に始まったコロナ対応

2019年12月7日、高知県知事に就任しました。初登庁した12月9日の記者会見で掲げた県政運営の基本姿勢が、「共感と前進」です。

県議会との関係を問われた際には、与党・野党という区分だけで県政を進めるのではなく、結果を重視する姿勢を示しています。

とにかく結果を出していく、県政を前に進めていくというところが一番大事

出典:高知県「令和元年12月9日 知事の就任記者会見」(2021年4月6日)

就任から間もない2020年2月以降、新型コロナウイルス感染症への対応が県政の大きな比重を占めました。就任1年を迎えた同年12月、濵田氏自身が「感染症への対応に全力を傾けた1年」と振り返っています。

一方で、県民と直接話す場も設けました。県内市町村の現場を訪問する「濵田が参りました」は感染拡大の影響で2020年6月からの開始となりましたが、その年の12月までに25市町村を訪れています。

役所の中だけで政策を決めるのではなく、地域へ出向いて話を聞き、それを県政に反映するという方法が「共感と前進」の具体的な形になりました。

4人が争った2023年知事選で再選

最初の知事選から4年後の2023年、濵田氏は2期目を目指しました。選挙には濵田氏を含む無所属4人が立候補し、濵田氏は自民党と公明党の推薦を受けています。

出陣にあたっては、県政を次の世代へ渡すことを自らの使命として語りました。

この高知を次の世代、若者たち子供たちに引き継いでいくのが、私自身の最大の使命だ

出典:自由民主党「高知県知事選 浜田せいじ候補 支持を訴え」(2023年11月9日)

11月26日の投開票では197,816票を獲得。4候補の中で最多となり、高知県知事に再選されました。12月7日から2期目が始まっています。

選挙歴 濵田省司の選挙歴
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年月日選挙選挙区・地域所属結果得票・順位
高知県知事選挙
定数:1 比例復活:該当なし
新人として立候補。自由民主党・公明党の推薦を受けた。対立候補の松本顕治氏は111,397票。
高知県 無所属 当選 173,758票 1位
高知県知事選挙
定数:1 比例復活:該当なし
現職として2期目を目指して立候補。自由民主党・公明党推薦。無所属4候補による選挙で再選。
高知県 無所属 当選 197,816票 1位

人口減少への対応を県政の最重要課題に

2期目に入って県政でさらに比重を増しているのが人口減少への対応です。高知県は2024年度から「高知県元気な未来創造戦略」を進め、若者の定着、出生数の減少への対応、地域社会の持続可能性を一体で扱っています。

2026年6月の県議会提案説明では、前年の国勢調査速報値で県内すべての市町村の人口が5年前より減り、県全体の減少率が7%となったことが示されました。

その中で濵田県政が前面に出しているのが、若者の所得と仕事です。旧来のコスト削減型経営から高付加価値型経営への転換を促すとして、2026年度に15億円を計上した事業者向け総合補助金を創設しました。

生産設備の導入だけを対象にするのではなく、販路拡大や働き方改革なども含め、業種横断的に支援する設計です。売上高100億円を目指す県内企業の登録制度も始めています。

「4S」で人口が減っても公共サービスを維持する

人口を増やす政策と同時に、人口が減ることを前提に社会の仕組みを組み替える取り組みも進めています。

「4Sプロジェクト(Smart Shrink for Sustainable Society)」は、人口減少に適応しながら必要な公共サービスを維持する考え方です。

2026年度には消防本部の広域化、公共交通網の再構築、周産期医療の連携、高校の魅力化などを個別に進めています。単に人口規模を追うだけでなく、行政サービスの提供方法自体を変える取り組みです。

中山間地域では移住だけでなく、地域外から継続的に関わる人を増やす施策や、県外から高校へ進学する生徒の受け入れなども組み合わせています。

政治人生の転機 濵田省司の政治人生の転機
01
1985年4月
自治省への入省
東京大学法学部卒業後、自治省に入り、地方財政や自治行政を中心とする行政官の道へ進んだ。
なぜ転機なのか その後34年間にわたる国・地方での行政経験の出発点となったため。
02
2017年7月
大阪府副知事への就任
国の官僚から大阪府副知事となり、大規模自治体の執行部で行政運営を担った。
なぜ転機なのか 後の知事就任前に、地方自治体のトップを補佐する立場を経験したため。
03
2019年
総務省を退職し高知県知事選へ
8月に総務省を退職し、11月の高知県知事選へ無所属新人として出馬して初当選した。
なぜ転機なのか 行政官から選挙で選ばれる政治家へ立場が変わったため。
04
2023年11月
高知県知事に再選
4人が立候補した知事選で197,816票を得て再選した。
なぜ転機なのか 2期目の県政運営へ進み、人口減少対策などを新たな段階へ進めることになったため。

地産外商からフードテック、アニメ産業まで広げる産業振興

産業政策では第5期高知県産業振興計画を進めています。農業、林業、水産業、商工業、観光を個別に扱うだけではなく、地域ごとのアクションプランを組み合わせて雇用と所得の向上を図る構成です。

高知県が長く進めてきた「地産外商」も続いています。国内市場の縮小を見据え、防災関連製品や食品などについて台湾、タイをはじめ海外市場への展開を広げ、東南アジアでの企業支援体制も拡張しています。

一次産業では、デジタル技術を使って生産性を高める取り組みや食品産業の高度化を「フードテック」として進めています。自然災害が多い高知で蓄積された土木技術や防災食品を、防災関連産業として県外・海外へ展開する動きもあります。

一方、従来の高知県産業とは性格の違う分野として力を入れているのがアニメです。2026年の「高知アニクリ祭」には2万7千人を超える来場があり、県内での人材育成と企業・クリエイターの集積を進めています。

若者に「高知で働く選択肢」を見せるキャリア教育

若者が進学や就職で県外へ出る前に、高知県内にどのような企業や仕事があるのかを知ってもらう取り組みも強化しています。

濵田氏はキャリア教育について、単なる職業紹介ではなく、将来のUターンにつながる記憶を子どもの頃からつくるという考えを語っています。

『高知に帰ろう』と思ってもらえる瞬間がきっとくる

出典:高知おしごと部「高知県が取り組む“キャリア教育”とは?」(公開日記載なし)

県内企業の仕事を早い段階で知り、高知に暮らしながら働く姿を具体的に想像してもらう。所得向上策とは異なる角度から、若者の県外流出に向き合う施策です。

南海トラフ地震に備える防災と事前復興

消防庁で国民保護や防災を担当した経歴を持つ濵田氏にとって、高知県政でも災害対策は継続的な政策分野です。

2026年3月、高知県は国の新しい想定を踏まえ、南海トラフ地震の県版被害想定を13年ぶりに見直しました。津波避難タワーの整備や早期避難などを織り込んだ最大クラスの想定では、死者数が前回想定の半分程度になる一方、地質データの更新によって震度7が想定される区域は広がりました。

その結果、建物倒壊数は前回想定より約3割、負傷者数は約2割増える見込みとされ、津波対策に加えて強い揺れへの備えを強化する課題が示されています。

県は国土強靱化の予算確保に加え、被災後に考え始めるのではなく、平時から復興の手順や地域の将来像を準備する「事前復興」への国の支援も求めています。

「共感と前進」を対話の仕組みにする県政運営

「共感と前進」は就任時のキャッチフレーズだけで終わっていません。市町村や企業の現場へ知事自身が出向く取り組み、県民との意見交換、県政情報の発信などを継続しています。

後援会サイトで「人と会うときに一番気をつけること」を聞かれた際の答えも、「相手の話をよく聞くこと」でした。行政官時代から政治家になった後まで、対話を前面に出す姿勢は一貫しています。

2026年度には、人口減少が進む中でも地域の活力を取り戻し、南海トラフ地震への備えを進めるため、新しい仕組みへの転換を急ぐ姿勢を示しています。国の制度を待つだけでなく、地方財源のあり方や公共サービス再編について全国知事会から国へ提言する活動にも関わっています。

濵田省司氏の公式発言をテーマ別に見る

一次情報を深掘り

記事本文で扱ったテーマを、本人の公式発言まで深掘りできます。まずは代表的な発言を表示し、関連発言があるテーマだけ追加で確認できます。

人口減少と若者定着

南海トラフ地震と災害関連死対策

産業振興と高付加価値化

※ 内容の要点は公式一次情報をもとに整理しています。正確な文脈・全文は各リンク先の公式資料から確認できます。

濵田省司氏の現在情報

2026年9月11日 時点
現在の公職 高知県知事
現在の所属 無所属
選挙区・選出地域 高知県
現在の期・任期 高知県知事2期目
現在の主な役職
全国知事会総務常任委員会委員長 CLTで地方創生を実現する首長連合共同代表

人口減少を県政の最重要課題と位置付け、高付加価値型経済への転換、4Sプロジェクト、中山間地域対策、南海トラフ地震対策などを進めている。

参考・出典 この記事で参照した主な資料
公式・一次情報
選挙・公的資料

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