丸山達也の経歴・学歴と生い立ち|総務官僚から島根県知事、保守分裂選を制した歩み

丸山達也
ひと目でわかるプロフィール 丸山達也
まるやま たつや
出身地
福岡県八女郡広川町
初当選
2019年(第19回島根県知事選挙)
最終学歴
東京大学法学部
主な前職
官僚・国家公務員
政界入り
官僚から
生年月日 1970年3月25日

丸山達也氏は、福岡県出身の元自治省・総務省官僚で、2019年に島根県知事へ就任した政治家です。県外で生まれ育った人物が島根県政のトップに立つまでには、中央省庁だけでなく、埼玉県、長野県飯田市、島根県庁で地方行政の現場を重ねた歩みがありました。

知事就任後は人口減少対策の「島根創生」を県政の軸に置く一方、新型コロナ対策や国の制度変更をめぐって政府へ強い言葉で意見を示す場面もありました。この記事では、福岡での生い立ちから官僚時代、島根との接点、知事選への挑戦、県政での判断までを時系列でたどります。

丸山達也氏を理解する3つのポイント
  1. 福岡県の農家で育ち、自治省入省後は国と地方双方の行政現場を経験してきました。
  2. 島根県庁勤務を経て総務省を退職し、2019年の保守分裂となった知事選へ立候補しました。
  3. 人口減少対策を県政の中心に据えながら、必要と判断した場面では国へ率直に意見を発信してきました。

丸山達也の生い立ち|福岡県広川町の農家で育った少年時代

丸山達也氏は1970年3月25日、福岡県八女郡広川町に生まれました。広川町は福岡県南部、筑後地域に位置します。後年の取材では、自身が農家で生まれ育ったことを明かしています。

高校は久留米大学附設高等学校へ進み、1988年3月に卒業しました。その後は東京大学法学部へ進学し、1992年3月に卒業しています。

知事になってから農作業と行政の仕事を重ねて語った際には、課題を後回しにせず一つずつ処理していく自身の仕事の感覚を、短い言葉で表しています。

手を抜いたところは必ず後で影響が出る

出典:山陰中央新報「候補の横顔 島根県知事選2023」(2023年3月24日)

丸山達也の学歴|東京大学卒業後、自治省で地方行政の道へ

大学卒業直後の1992年4月、自治省に入省しました。後に総務省へ再編される官庁で、地方自治や地方財政に関わる行政官として仕事を始めます。

2003年4月には埼玉県総務部財政課長となり、地方自治体側で財政運営を担当しました。2005年4月には総務省自治財政局交付税課課長補佐に就き、国の地方財政制度を扱う部署へ戻っています。

2009年4月からは長野県飯田市副市長を務めました。中央省庁の職員として制度を扱うだけでなく、市役所の行政執行を担う立場に入った時期です。

2011年6月には総務省情報流通行政局地域放送推進室長に就任しました。地方財政、自治体経営、情報通信と、地方行政に関わる複数の分野を経験しながら職歴を重ねていきます。

島根県庁で環境生活部長、政策企画局長を務める

島根との直接的な関わりが始まったのは2013年です。4月に島根県環境生活部長へ就任し、翌2014年4月には政策企画局長となりました。

環境生活部は県民生活に近い行政分野を扱い、政策企画局は県政全体の政策立案や調整に関わります。丸山氏は2016年までの約3年間を島根県庁で過ごしました。

後に島根への移住を紹介する県の資料では、自身を「Iターン者」と表現しています。福岡で生まれ、東京をはじめ各地で生活した後、島根を生活の拠点として選んだ人物でもあります。

実は私はIターン者です。

出典:島根県「島根創生リーフレット」(公開日記載なし)

2016年4月には総務省消防庁国民保護室長、2017年7月には地方公共団体金融機構地方支援部長へ進みました。そして2018年12月、総務省を退職します。

人生年表 丸山達也さんの歩み
1970年3月25日
福岡県八女郡広川町で生まれる
農家で育つ
1988年3月
久留米大学附設高等学校を卒業
1992年3月
東京大学法学部を卒業
1992年4月
自治省に入省
地方行政・地方財政分野を歩む
2003年4月
埼玉県総務部財政課長に就任
2005年4月
総務省自治財政局交付税課課長補佐に就任
2009年4月
長野県飯田市副市長に就任
2011年6月
総務省情報流通行政局地域放送推進室長に就任
2013年4月
島根県環境生活部長に就任
島根県庁での勤務を開始
2014年4月
島根県政策企画局長に就任
2016年4月
総務省消防庁国民保護室長に就任
2017年7月
地方公共団体金融機構地方支援部長に就任
2018年12月
総務省を退職
島根県知事選への出馬準備へ
2019年4月7日
第19回島根県知事選挙で初当選
無所属で150,338票を獲得
2019年4月30日
島根県知事に就任
第54代知事として県政を開始
2022年6月
島根原発2号機の再稼働を容認
県議会で判断を表明
2023年4月9日
島根県知事選挙で再選
251,545票を獲得
2023年4月30日
島根県知事2期目に入る
2026年6月
膀胱がんを公表
投薬治療を受けながら公務を継続

丸山達也氏の記者会見をテーマ別に見る

一次情報を深掘り

記事本文で扱ったテーマを、本人の記者会見まで深掘りできます。まずは代表的な発言を表示し、関連発言があるテーマだけ追加で確認できます。

人口減少と子育て・産業振興

物価高と企業の賃上げ支援

小児科・産科の医師確保

※ 内容の要点は公式一次情報をもとに整理しています。正確な文脈・全文は各リンク先の公式資料から確認できます。

丸山達也の経歴|44年ぶりの保守分裂となった2019年島根県知事選

2019年の島根県知事選は、3期務めた溝口善兵衛知事の退任によって新人同士の争いとなりました。丸山氏は島根県庁時代に政策企画局長を務めていたこともあり、県議会の中堅・若手議員らから擁立を求める動きが進み、1月17日に立候補を表明しました。

ところが、自民党島根県連は元消防庁次長の大庭誠司氏を推薦します。自民党内でも大庭氏を支える側と丸山氏を支える県議らに分かれ、島根県知事選としては44年ぶりの保守分裂となりました。

候補者届出上、丸山氏の党派は無所属です。大庭氏、元安来市長の島田二郎氏、山崎泰子氏を含む4人が立候補し、県政の継承や人口減少、地域振興などをめぐって選挙戦が行われました。

選挙戦最終日の4月6日、丸山陣営は公式Xで遊説終了を報告し、候補者4人に「島根県をよくしたい」という共通点があるとのメッセージを発信しました。

翌4月7日の投開票で、丸山氏は150,338票を獲得。大庭氏の120,276票を上回り、島根県知事選で初当選しました。投票率は62.04%でした。

県外出身者として島根県政のトップに立つ

2019年4月30日、丸山氏は島根県知事に就任しました。島根県政では初めての県外出身知事となり、官僚として派遣された県で、選挙を経て行政トップを務めることになりました。

就任時に前面へ置いたのは、人口減少への対応です。5月の就任式では「人口減少に打ち勝つ島根」を大きな公約として挙げ、県政の中心に据える考えを職員へ伝えました。

2020年3月には「島根創生計画」を策定しました。人口の自然減と社会減の双方に向き合い、産業、雇用、結婚・子育て、移住、地域づくりなどを一つの県政課題として扱う枠組みです。

選挙歴 丸山達也の選挙歴
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年月日選挙選挙区・地域所属結果得票・順位
第19回島根県知事選挙
定数:1 比例復活:なし
新人4人による知事選。自民党が大庭誠司氏を推薦する一方、一部の自民系県議らが丸山氏を支援し、44年ぶりの保守分裂選挙となった。投票率62.04%。
島根県 無所属 当選 (初当選) 150,338票 1位
島根県知事選挙
定数:1 比例復活:なし
自民党、立憲民主党、公明党、国民民主党などの推薦を受けて再選。候補者届出上の党派は無所属。投票率54.96%。
島根県 無所属 当選 (再選) 251,545票 1位

コロナ禍で見せた「外へ発信する知事」という姿勢

就任翌年には新型コロナウイルス感染症が広がりました。人口規模の小さい島根県では、一つの感染集団が地域医療や学校、事業者へ及ぼす影響も大きく、県は感染者の周辺へ検査対象を広げる対応を取りました。

丸山氏は後のインタビューで、感染者が確認された大学で約700人規模のPCR検査を実施した例を挙げています。感染拡大によって行動制限を長引かせるより、検査を広く行って早期に感染者を把握する方針を採りました。

2021年2月には、東京五輪の島根県内聖火リレーについて中止検討を表明。感染が比較的少ない地域の飲食店などへの国の支援が不足していると問題提起しました。その後、国側の追加対策をめぐる動きを踏まえ、4月には組織委員会へ改善を求めた上で実施する判断に切り替えています。

こうした発信について、本人は知事として担う仕事の一つだと説明しています。

そのための情報発信は、知事としての私の役割だと思っています。

出典:自治体通信「人口減少に打ち勝ち、県民が豊かに暮らし続けられる未来へ」(2022年2月25日)
政治人生の転機 丸山達也の政治人生の転機
01
2013年4月
島根県庁への赴任
総務省から島根県へ赴任し、環境生活部長、政策企画局長を歴任した。
なぜ転機なのか 県外出身の国家公務員だった丸山氏が、後に知事となる島根県の行政実務に直接携わる時期となった。
02
2018年12月~2019年4月
総務省退職から島根県知事へ
総務省を退職し、44年ぶりの保守分裂となった島根県知事選に無所属で立候補。150,338票で初当選した。
なぜ転機なのか 約26年間の官僚人生を離れ、自ら選挙に立候補する政治家へ進路を変え、県政トップとなった。
03
2023年4月
幅広い推薦を受けて再選
初当選時とは異なり、自民、立民、公明、国民などの推薦を受け、251,545票で再選した。
なぜ転機なのか 2019年の保守分裂選挙から4年を経て、支持の枠組みが大きく変化した中で2期目の県政運営に入った。

島根原発2号機の再稼働に「やむを得ない」と判断

島根県には、中国電力島根原子力発電所があります。2号機の再稼働をめぐっては原子力規制委員会の審査を経た後、立地自治体や周辺自治体の意見、安全対策、避難計画などをめぐる議論が続きました。

丸山氏は2022年6月2日、県議会で再稼働を容認する判断を正式に表明しました。島根原発は県庁所在地の松江市に位置するため、再稼働の判断は県政上の大きな案件となりました。

島根原発2号機の再稼働については、現状においてはやむを得ないと考え、容認する

出典:テレビ朝日「島根原発2号機再稼働に同意 知事が正式表明」(2022年6月2日)

この表明により、松江市の同意などと合わせて地元側の同意手続きが一区切りとなりました。丸山氏は再稼働そのものを積極的に推進するという言い方ではなく、電力需給や安全保障などを踏まえた判断として容認しました。

2023年の再選では支持の枠組みが変化

1期目を終える2023年の知事選では、2019年とは選挙を支える構図が変わりました。前回は自民党県連が別候補を推薦していましたが、再選を目指す丸山氏には自民党に加え、立憲民主党、公明党、国民民主党などが推薦を決めました。

候補者としての党派は引き続き無所属です。推薦政党が増えたことと、丸山氏自身が政党へ所属したことは同じではありません。

4月9日の投開票では251,545票を獲得し、向瀬慎一氏の29,964票、森谷公昭氏の10,083票を大きく上回って再選しました。県内19市町村すべての集計を合わせた投票率は54.96%でした。

人口減少を中心に組み立てる「島根創生」

Uターン・Iターンを「人生選択」と捉える

人口減少対策で丸山氏が強調してきたのは、移住者数だけを追うのではなく、若い世代が働く場所、暮らす場所として島根を選べる環境をつくることです。

UターンもIターンも、結局は個人の「人生選択」です。

出典:事業構想「島根県知事インタビュー 『人生選択の時』に選ばれる島根へ」(2021年6月号)

県外へ進学した若者のUターンと、もともと島根に縁のない人のIターンでは必要な働きかけが異なるとして、企業情報の発信、移住体験、ふるさと教育などを使い分ける考えを示してきました。

2025年3月には第2期島根創生計画を決定しました。計画期間は2025年度から2029年度で、人口減少に歯止めをかけながら、若者と次世代を担う子どもが増える地域を目指す方針を継続しています。

働く場と子育て環境を一体で考える

丸山県政では、若い世代の定着には仕事と子育ての両方が必要だとしてきました。特に若い女性が希望する職種の幅が十分でないことを課題に挙げ、IT企業を含む企業誘致や産業振興、人材確保を進めています。

子育て分野では、市町村と連携した子どもの医療費負担軽減や、放課後児童クラブの受け皿拡大などを実施してきました。結婚、妊娠・出産、保育、就学後までを切れ目なく支援することを人口減少対策の一部として位置づけています。

山陰道や航空路線を生活・産業の基盤として重視

交通基盤については、山陰道の全線開通や必要区間の4車線化、県内空港の路線維持・利用促進を重視してきました。東西に長い島根県では、人の移動だけでなく物流、観光、医療へのアクセスにも道路や航空網が関わります。

丸山氏は知事就任後のインタビューでも、島根の交通網整備が遅れているとの認識を示し、山陰道の整備を急ぐ必要があると述べています。

「103万円の壁」では地方財政への影響を具体的に指摘

地方財政を長く担当した経歴が表れたのが、2024年に議論が広がった「103万円の壁」への発言です。丸山氏は、働く時間を抑える原因となる税制上の段差を改善することには合理性があるとしつつ、基礎控除の大幅引き上げによる一律減税とは分けて議論するよう求めました。

11月8日の記者会見では、当時議論されていた案を前提にすると、所得税減収を通じた地方交付税への影響も合わせ、地方側の減収が約5.2兆円になるとの試算を提示しました。減税を行う場合には、地方公共団体の財源をどう補うのかまで示す必要があるとの立場です。

高額療養費の負担上限引き上げ案には強く反対

2025年2月、政府が高額療養費制度の自己負担上限を段階的に引き上げる方針を示していた時期には、患者が治療を断念する可能性があるとして激しく反発しました。

私は少なくとも提案されたということだけでも国家的殺人未遂だと思う。

出典:島根県「2月18日質問項目1 高額療養費制度」(2025年2月18日)

政府はその後、2025年8月から予定していた負担上限額の引き上げを見送る方針へ転換しました。丸山氏の発言は、地方行政に直接関係する制度だけでなく、住民生活への影響が大きい国の政策にも意見を示す政治姿勢の一例となっています。

丸山達也氏の人物像を動画で見る

2023年の島根県知事選に合わせて山陰中央新報社が公開した候補者紹介動画では、政策だけでなく、農家で育った背景や家族との時間、仕事への向き合い方などが紹介されています。

丸山達也氏の現在情報

2026年9月10日 時点
現在の公職 島根県知事
現在の所属 無所属
選挙区・選出地域 島根県
現在の期・任期 島根県知事2期目

膀胱がん治療のため2026年9月21日に入院し、9月23日に全摘出手術を受ける予定で、9月21日から10月9日は石原恵利子副知事が職務代理者を務める予定です。2027年知事選について複数団体から出馬要請を受けていますが、最終的な立候補表明には至っていません。

公式Xの最新投稿

本文内の関連投稿に加えて、本人の公式Xから最新の投稿を表示しています。

参考・出典 この記事で参照した主な資料
公式・一次情報
選挙・公的資料
報道・インタビュー

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