小林鷹之氏は、大蔵省・財務省での勤務や米国留学、在米日本大使館での外交実務を経て、2012年に衆議院議員となった政治家です。
大学時代にはボート部で4年間の合宿生活を送り、官僚時代には海外から日本を見る経験を重ねました。官僚を辞めて選挙へ挑んだ経緯から、初代経済安全保障担当大臣、2度の自民党総裁選、政務調査会長までの歩みをたどります。
- 市川市に生まれ、開成中高・東京大学で学び、大学ではボート部主将。大蔵省入省後はハーバード大学院や在米日本大使館で経験を積みました。
- 2010年に財務省を退職して自民党千葉2区支部長公募へ応募し、2012年に衆議院議員へ初当選。2021年には初代経済安全保障担当大臣に就任しました。
- 2024年・2025年の自民党総裁選に出馬し、2025年10月から政務調査会長。経済・安全保障・科学技術を横断する政策に携わっています。
市川市に生まれ、浦安で育った少年時代
小林鷹之氏は1974年11月29日、千葉県市川市にサラリーマン家庭の長男として生まれました。小学校時代は浦安市で過ごし、浦安市立美浜南小学校に通っています。
本人の略歴には、小学生の頃からスポーツが好きで、38度を超える熱がありながら校内マラソン大会に出場し、1位になったというエピソードも残されています。
1987年に開成中学校へ進学。中学・高校ではバスケットボールに打ち込み、都大会ではベスト16まで進みました。中学3年生では生徒会長も務めています。
開成高等学校3年生の運動会では思うような結果が出ず、仲間と一緒に頭を丸めたこともあったと紹介されています。勉強だけでなく、学校行事やスポーツにも深く関わる学生生活でした。
東京大学ボート部で4年間の合宿生活、4年時に主将
1994年4月、東京大学文科I類へ入学しました。合格発表の日に入ったのがボート部です。
埼玉県戸田市の合宿所で4年間を過ごし、大学4年生では主将を務めました。大学生活の大部分をボート競技と集団生活の中で送ったことは、本人の公式プロフィールでも大きく取り上げられています。
1999年3月に東京大学法学部を卒業。翌4月には大蔵省へ入り、行政官としての道を歩み始めました。
大蔵省からハーバード、在米日本大使館へ
大蔵省入省後、2001年にハーバード大学ケネディ行政大学院へ留学し、2003年に公共政策学修士を取得しました。帰国後は財務省で国際関係の業務などに携わり、2005年からは理財局で勤務します。
2007年から2010年までは在アメリカ合衆国日本国大使館に出向し、二等書記官、のちに一等書記官を務めました。本人は2000年代について、米国滞在を含む国際関係の仕事を通じて、日本の存在感の低下を感じた時期だったと振り返っています。
G7やG20などに関係する仕事にも携わる中で、政治が物事を決められない状況への危機感を強め、自ら政治へ進むことを決断しました。
「世界から信頼され、必要とされる国を創りたい。」
出典:小林鷹之事務所「プロフィール」(公開日記載なし)
財務省を辞め、自民党公募から千葉2区へ
官僚として約11年間勤務した後、2010年3月に財務省を退職し、同年4月に自民党千葉県第2選挙区支部長の公募へ応募しました。
同年10月には自民党千葉県第二選挙区支部長に就任。千葉2区を政治活動の基盤として、次の衆議院選挙に向けた活動を始めます。
初めて国政選挙に臨んだのは2012年12月の第46回衆議院議員総選挙でした。千葉県第2区で100,551票を得て、初出馬で衆議院議員に当選しています。
2014年に2選、2017年に3選。議員としては外交、財務金融、経済産業、憲法、科学技術、宇宙、サイバーセキュリティなど幅広い政策分野に関わるようになりました。
2016年8月には防衛大臣政務官に就任しました。財務官僚や在米日本大使館での経験に加え、国会では安全保障分野の実務も担うことになります。
初代経済安全保障担当大臣として法整備を担当
国会議員として活動する中で、小林氏が深く関わった分野の一つが経済安全保障です。自民党では新国際秩序創造戦略本部などで、サプライチェーン、重要技術、経済と安全保障を横断する政策づくりに携わりました。
2021年10月、岸田内閣で初代経済安全保障担当大臣に就任。内閣府特命担当大臣として科学技術政策と宇宙政策も担当しました。
「常に国力を高めたいという意識があります。」
出典:内閣府「小林内閣府特命担当大臣記者会見要旨」(2021年10月5日)
経済安全保障推進法の法制化では、重要物資の安定供給、基幹インフラの安定的な提供、先端的な重要技術の開発支援、特許出願の非公開という4分野を柱とする制度設計が進められました。
政府は2021年11月に経済安全保障推進会議を開き、有識者会議の議論を経て法案を国会へ提出。経済安全保障推進法は2022年5月11日に成立しました。小林氏は担当大臣として国会審議や制度構築を担っています。
2024年、初めて自民党総裁選へ
大臣退任後も、自民党の知的財産戦略調査会長や経済安全保障推進本部幹事長などを務め、経済安全保障、科学技術、産業政策を中心に党内で政策づくりを続けました。
2024年には党総裁選への出馬を決断します。これが小林氏にとって初めての自民党総裁選でした。
総裁選では「世界をリードする国へ」を掲げ、経済、安全保障、科学技術などを柱とする政策を発表しました。9月27日の第1回投票では60票を獲得し、9人中5位でした。
国政初当選から12年で自民党総裁選へ初めて立候補したことになります。
同年10月の第50回衆議院議員総選挙では千葉県第2区で5選しました。
2度目の総裁選を経て自民党政務調査会長へ
2025年、自民党総裁選に再び立候補しました。9月22日に告示された総裁選には小林氏を含む5人が出馬し、党再生や経済政策、外交・安全保障などをめぐって論戦を展開しました。
総裁選の共同記者会見では、党への信頼を取り戻すため、政治家が直接人と向き合うことを重視する考えを示しました。
「国民とのリアルな交流にこそ信頼が生まれる」
出典:自由民主党「党再生へ力強く決意表明 総裁選候補者共同記者会見」(2025年9月23日)
10月4日の第1回投票では59票を獲得しましたが、決選投票には進みませんでした。総裁には高市早苗氏が選出されています。
その3日後の10月7日、自民党政務調査会長に就任しました。党の個別政策を担当する役職から、経済、外交、安全保障、社会保障、税制など党全体の政策を取りまとめる立場へ移ります。
政調会長就任後も地元行事へ足を運び、千葉2区で国政への意見を聞く様子を本人公式Xで発信しています。
小林鷹之氏が重視する政策・政治姿勢
小林氏の政策には、財務省、在米日本大使館、防衛大臣政務官、経済安全保障担当大臣などで扱ってきた分野が重なっています。2026年8月時点では、政務調査会長として党全体の政策調整にも関わっています。
経済安全保障と情報防衛
経済安全保障では、重要技術やサプライチェーン、基幹インフラ、外国投資などを安全保障と結び付けて扱っています。
2025年末には、外資による日本企業への投資審査について、外国政府の影響下にある投資主体や重要技術の間接的な保有にどう対応するかという課題を挙げています。
2026年には自民党インテリジェンス戦略本部長として、外国勢力による影響工作や情報収集への対応、対外情報収集能力、情報機関への民主的統制などの議論を進めました。
「情報の収集はインテリジェンスの土台」
出典:自由民主党「『情報収集はインテリジェンスの土台』インテリジェンス戦略本部が対外情報収集についてヒアリング」(2026年7月7日)
同本部は2026年8月、情報防衛力を「抑止」「収集」「監督」の3本柱で強化する提言を取りまとめ、外国代理人の登録義務や不正な干渉行為への対応を含む「外国干渉防止法(仮称)」の整備に向けた検討などを盛り込みました。
「外国干渉防止法(仮称)」は2026年8月時点で自民党の提言に盛り込まれた検討事項です。法律がすでに成立・施行されたという意味ではありません。
科学技術・半導体・宇宙
経済安全保障担当大臣と同時に科学技術政策・宇宙政策を担当した経験もあり、AI、次世代半導体、量子、宇宙、通信などを成長と安全保障の両面から扱っています。
2025年の総裁選では、資源に乏しい日本にとって科学技術が成長の源になるとの考えを示し、AIや半導体などへの投資を訴えました。
「あきらめではなく希望を。頑張れば報われるという実感を。」
出典:自由民主党「挑戦で拓く、新しい日本 小林鷹之候補 所見発表演説要旨」(2025年9月24日)
資源・エネルギー安全保障
エネルギーと鉱物資源も安全保障上の課題として扱っています。レアアースなど重要鉱物について、特定国への依存を抑え、国内の精錬能力や供給網を確保する政策を訴えています。
エネルギー政策では、安定供給と安全保障を重視しながら、原子力、火力、再生可能エネルギーなどを組み合わせる考えを示しています。
原子力については安全性を犠牲にしないことを前提に、エネルギー安全保障の観点から既存電源を有効活用する立場を示しています。
「強い経済」と財政運営
政務調査会長としては「強い経済」の実現に向け、国による戦略的な投資を進める「責任ある積極財政」を掲げています。
一方で、単純に支出を増やすという説明ではなく、2026年7月の党の政策協議では財政の持続可能性と市場の信認を確保する必要性にも言及しています。
防衛・サイバーと外交
防衛大臣政務官を経験し、党でもサイバーセキュリティや外交、安全保障に関する政策を扱ってきました。日米同盟を基軸としながら同志国との連携を広げ、経済力・技術力・防衛力を外交力につなげる考えを示しています。
経済と安全保障を別々に扱うのではなく、科学技術や産業基盤も含めて国力を高めるという考え方は、経済安全保障担当大臣就任時から継続して示してきたものです。
千葉2区の交通、防災、産業
千葉県第2区では、交通・物流網、防災・減災、都市農業、観光、鉄道アクセスなど地域に直結する政策も掲げています。
2026年8月時点の千葉2区は千葉市花見川区と八千代市が中心です。国政の経済・安全保障政策だけでなく、長く政治基盤としてきた地域のインフラや暮らしに関する課題も扱っています。
| 年月日 | 選挙 | 選挙区・地域 | 所属 | 結果 | 得票・順位 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2012年 12月16日 |
第46回衆議院議員総選挙
初出馬・初当選
|
千葉県 第2区 | 自由民主党 | 当選 | 100,551票 1位 |
| 2014年 12月14日 |
第47回衆議院議員総選挙
2選
|
千葉県 第2区 | 自由民主党 | 当選 | 118,592票 1位 |
| 2017年 10月22日 |
第48回衆議院議員総選挙
3選
|
千葉県 第2区 | 自由民主党 | 当選 | 108,964票 1位 |
| 2021年 10月31日 |
第49回衆議院議員総選挙
4選
|
千葉県 第2区 | 自由民主党 | 当選 | 153,017票 1位 |
| 2024年 10月27日 |
第50回衆議院議員総選挙
5選
|
千葉県 第2区 | 自由民主党 | 当選 | 103,690票 1位 |
| 2026年 2月8日 |
第51回衆議院議員総選挙
6選
|
千葉県 第2区 | 自由民主党 | 当選 | 107,933票 1位 |
2026年8月時点の小林鷹之氏
2026年2月8日の第51回衆議院議員総選挙では、千葉県第2区で107,933票を獲得。衆議院議員として6回目の当選となりました。
2026年8月時点では、自由民主党所属の衆議院議員として千葉県第2区から選出され、衆議院では国家基本政策委員会に所属しています。
党では政務調査会長として政策全般の取りまとめを担当するとともに、インテリジェンス戦略本部長として情報防衛力の強化に関する議論を進めています。
2026年8月に党がまとめた提言では、外国勢力による干渉への抑止、対外情報収集、情報機関への監督を一体的に強化する方針を提示しました。財務官僚時代から扱ってきた経済、国際関係に加え、安全保障、科学技術、情報政策まで活動領域が広がっています。
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出生地、学歴、財務省・在米日本大使館経歴、政治役職、選挙区、当選回数、政務調査会長、所属委員会を確認
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小学校から大学までの経歴、ボート部、財務省、ハーバード大学院、在米日本大使館、政界入りの経緯、政治経歴を確認
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所属政党、千葉県第2区、当選回数、政務調査会長、過去の党・政府役職、公式サイト・SNS・YouTubeを確認
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経済安全保障、科学技術、エネルギー、外交・防衛、経済政策、千葉県第2区の地域政策を確認
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経済安全保障担当大臣就任、科学技術・宇宙政策担当、経済と安全保障に関する本人の政策認識を確認
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法制化の経緯、2022年5月11日の法律成立、重要物資・基幹インフラ・重要技術・特許非公開等の制度を確認
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2024年と2025年の自由民主党総裁選挙の投票結果を確認
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2025年10月7日の党役員人事と小林鷹之氏の政務調査会長就任を確認
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2026年8月時点のインテリジェンス戦略本部長としての活動、情報防衛力の提言を確認
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2012年の千葉県第2区からの初当選と所属政党を確認
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2026年2月8日の千葉県第2区における得票数、順位、当選結果を確認
この記事の更新履歴
- 2026年8月23日 記事を新規作成。現況情報を確認



















































