階猛の経歴・学歴と生い立ち|東大野球部から長銀・弁護士、衆議院議員への歩み

階猛
ひと目でわかるプロフィール 階猛
しな たけし
出身地
岩手県盛岡市
初当選
2007年(衆議院岩手県第1区選出議員補欠選挙)
最終学歴
東京大学法学部卒業
主な前職
会社員、弁護士、金融関係
政界入り
政治家の後継として
生年月日 1966年10月7日
血液型 O型

階猛(しな たけし)氏は、岩手県を地盤に国政で活動してきた政治家です。国会での経歴だけでなく、その前には野球、金融、法律という異なる世界を歩いてきました。

雫石で過ごした少年時代から銀行員、企業内弁護士を経て政界へ入るまで、そして国政で担ってきた仕事を時系列でたどります。

階猛氏を理解する3つのポイント
  1. 岩手県雫石町で野球に打ち込み、二浪を経て東京大学へ進んだ
  2. 長銀で金融実務と経営危機を経験し、司法試験に合格して企業内弁護士になった
  3. 金融と法律の実務を経て国政へ入り、復興、財政金融、司法、政治改革などに取り組んできた

雫石で育った少年時代―野球、新聞配達、クイズ番組

階猛氏は1966年10月7日、盛岡市内の病院で生まれました。二人兄弟の長男で、少年時代を岩手県雫石町で過ごしています。

子どものころは本や漫画を読むことが好きで、小学6年生のときにはテレビのクイズ番組「ベルトクイズQ&Q」に出演しました。小学校では児童会長も務めています。

一方で、小学3年生から野球を始め、小学6年生になると硬式野球にも取り組みました。投手を務めながら打順では中心を任される野球少年でした。

中学1年生の終わりから高校卒業まで新聞配達を続けたという経験もあります。冬には氷点下20度近くまで冷え込む雫石で、朝早くから新聞を配っていました。

本人の公式サイトには、小学校の卒業文集で同級生が階氏の将来の職業として「銀行員」「弁護士」「政治家」などを予想していたというエピソードも残されています。

盛岡一高から東大野球部へ―二浪と東京六大学野球

1982年に岩手県立盛岡第一高等学校へ進学すると、硬式野球部に入りました。1年秋にはチームが岩手県大会ベスト4まで進み、高校最後の夏には一関商工高校戦で5回まで無安打に抑える投球も見せています。

高校卒業後は東京で受験生活を送りました。二浪を経て1987年に東京大学文科一類へ入学します。

大学でも硬式野球部に入り、2年春から投手として東京六大学野球のリーグ戦に登板しました。その後は肩を痛め、大学での通算成績は0勝5敗、防御率4.51でした。

当時の東大野球部は、チームの通算199勝目から200勝目まで70連敗を経験しています。勝てない時期にも練習と試合を続けた大学野球は、本人が後に繰り返し振り返る学生時代の経験となりました。

卒業後も東大野球部の試合を気にかけており、2026年5月には母校が法政大学から勝ち点を挙げたことについて公式Xで発信しています。

日本長期信用銀行で金融の現場へ

1991年3月に東京大学法学部を卒業し、4月に日本長期信用銀行へ入行しました。最初は池袋支店で法人営業を担当しています。

1994年には本店の資金財務部門へ移り、市場価格で約3兆円規模の株式ポートフォリオに関わりました。証券アナリストの仕事や労働組合の中央執行委員も経験し、そのかたわら司法試験の勉強を続けています。

仕事、組合活動、司法試験の勉強が重なる生活のなかで体調を崩し、約1か月入院した時期もありました。

銀行そのものも大きな転換期を迎えます。1998年、日本長期信用銀行は国有化されました。

階氏は銀行を離れず、希望して法務部へ異動しました。長銀が外資による買収を経て新生銀行となった後も勤務し、企業再建などに伴う法律実務へ関わっています。

後年、長銀時代を振り返った本人の投稿では、銀行が厳しい局面に入ってからの経験にも触れています。

10回目の司法試験で合格、企業内弁護士へ

銀行で働きながら司法試験への挑戦を続け、2001年に合格しました。本人が公式サイトで明らかにしているところでは、合格したのは10回目の挑戦でした。

2003年10月に弁護士登録し、新生銀行の企業内弁護士となります。銀行内部の法務だけでなく、刑事弁護や多重債務に関する案件にも携わり、東京弁護士会では犯罪被害者支援委員会の副委員長を務めました。

2006年には金融法務の実務経験を生かし、『銀行の法律知識』を共著しています。

翌2007年1月にはみずほ証券へ転職し、総合企画部経営調査室の主任研究員となりました。

逆境があるからこそ、夢がかなう。

出典:しなたけし公式サイト「しなたけし物語」(2021年9月18日)
人生年表 階猛さんの歩み
1966年10月7日
岩手県盛岡市で生まれる
雫石町で育つ
1982年4月
岩手県立盛岡第一高等学校に入学
硬式野球部で投手を務める
1987年4月
東京大学文科一類に入学
硬式野球部で投手を務める
1991年3月
東京大学法学部を卒業
1991年4月
日本長期信用銀行に入行
法人営業や資金財務などを担当
1998年10月
日本長期信用銀行が国有化
その後、希望して法務部へ異動
2001年
司法試験に合格
働きながら10回目の挑戦で合格
2003年10月
弁護士登録
新生銀行で企業内弁護士として勤務
2007年1月
みずほ証券へ転職
総合企画部経営調査室の主任研究員
2007年7月29日
衆議院岩手県第1区選出議員補欠選挙で初当選
2009年9月
総務大臣政務官に就任
2011年3月
東日本大震災の復興対応に取り組む
岩手県選出議員として支援・復興政策に関与
2017年9月
民進党政務調査会長に就任
2017年10月22日
第48回衆議院議員総選挙で当選
希望の党から岩手1区に出馬
2022年9月
立憲民主党「次の内閣」財務・金融担当に就任
2025年
衆議院法務委員長に就任
2026年1月
中道改革連合に参加
2026年2月8日
第51回衆議院議員総選挙で8選
2026年2月18日
中道改革連合幹事長兼選挙対策委員長に就任

達増拓也氏の後継として岩手1区から国政へ

金融の世界から政治へ進む話が具体化したのは、みずほ証券へ移った直後でした。岩手県知事となっていた達増拓也氏から、衆議院岩手1区の後継として活動してほしいと声をかけられます。

達増氏は盛岡一高、東京大学の先輩でもあり、衆議院議員から2007年の岩手県知事選へ転じていました。階氏は故郷の岩手で政治に取り組む道を選び、同年5月に立候補を表明します。

選挙運動では、1日に100回を超える街頭演説を行い、夜には複数の集会を回る日程を重ねました。

そして2007年7月29日の衆議院岩手1区補欠選挙で初当選。銀行員、弁護士として歩んできた生活から国政へ移りました。

選挙歴 階猛の選挙歴
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年月日 選挙 選挙区・地域 所属 結果 得票・順位
衆議院岩手県第1区選出議員補欠選挙
定数:1 比例復活:なし
初出馬・初当選
岩手県 第1区 民主党 当選 102,987票 1位
第45回衆議院議員総選挙
定数:1 比例復活:なし
岩手県 第1区 民主党 当選 116,425票 1位
第46回衆議院議員総選挙
定数:1 比例復活:なし
岩手県 第1区 民主党 当選 55,909票 1位
第47回衆議院議員総選挙
定数:1 比例復活:なし
岩手県 第1区 民主党 当選 76,787票 1位
第48回衆議院議員総選挙
定数:1 比例復活:なし
岩手県 第1区 希望の党 当選 87,534票 1位
第49回衆議院議員総選挙
定数:1 比例復活:なし
岩手県 第1区 立憲民主党 当選 87,017票 1位
第50回衆議院議員総選挙
定数:1 比例復活:なし
岩手県 第1区 立憲民主党 当選 94,409票 1位
第51回衆議院議員総選挙
定数:1 比例復活:なし
8選
岩手県 第1区 中道改革連合 当選 73,209票 1位

総務大臣政務官として行政改革を担当

2009年の政権交代後、総務大臣政務官に就任しました。総務省では行政管理や行政評価、公務員制度改革などに関わっています。

本人が政務官時代の活動として挙げている主な仕事には、次のようなものがあります。

  • 独立行政法人改革
  • 国家公務員の新規採用抑制
  • 天下りあっせんの廃止に向けた対応
  • 行政監視・行政救済機能の強化
  • 国家公務員制度改革

情熱が失われれば政治は続かず、判断力が欠ければ政治は意味のないものになります。

出典:しなたけし公式サイト「情熱と判断力の政治をー県連街頭演説会」(2010年11月3日)

東日本大震災から続く岩手の復興への取り組み

2011年3月11日の東日本大震災では、岩手県も沿岸部を中心に甚大な被害を受けました。岩手県選出の国会議員として、階氏の活動でも復旧・復興が大きな課題となります。

震災直後には募金活動を行い、3月末までの約10日間で集まった365万円を岩手県へ届けたことを公表しています。その後も復興政策に継続して関わりました。

生まれたのが「東北でよかった」と被災した方々に思って頂けるよう、震災復興にさらに注力します。

出典:しなたけし公式サイト「『東北でよかった』発言を生んだ原因-復興相辞任」(2017年5月1日)

震災から15年を迎えた2026年にも、当時を振り返るインタビューについて本人の公式Xで紹介しています。

民進党政調会長から財政・金融、法務の役職へ

国政では党内の政策部門でも役職を重ねました。2012年には民主党岩手県連代表となり、同年12月には党役員室長を務めています。

2017年9月には民進党の政務調査会長に就任しました。同年10月の衆議院選挙では希望の党から岩手1区に立候補して当選しています。

2022年には立憲民主党の「次の内閣」で財務・金融担当となりました。銀行での勤務経験を持つ階氏が、国政でも長く扱ってきた分野の一つが金融・財政です。

さらに2025年には衆議院法務委員長に就任しました。11月18日の法務委員会では、委員長として議論に臨む姿勢を次のように述べています。

事実認識や論理展開のレベルでは、できる限り党派を超えて共有し、納得できるものとなるよう努めるべき

出典:衆議院「第219回国会 法務委員会 第1号」(2025年11月18日)
政治人生の転機 階猛の政治人生の転機
01
1998年
長銀国有化と法務部への異動
日本長期信用銀行の国有化後も銀行に残り、希望して法務部へ移った。
なぜ転機なのか 金融実務に法律の専門性を組み合わせる進路へ変わったため。
02
2001~2003年
司法試験合格と企業内弁護士への転身
働きながら司法試験に合格し、2003年に弁護士登録した。
なぜ転機なのか 銀行員から金融・法律双方の実務家へ活動領域が広がったため。
03
2007年
達増拓也氏の後継として国政へ
岩手1区で立候補し、衆議院補欠選挙で初当選した。
なぜ転機なのか 金融・法律の実務から政治の世界へ進路を転換したため。
04
2026年
中道改革連合の執行部へ
中道改革連合に参加し、総選挙後に幹事長兼選挙対策委員長へ就任した。
なぜ転機なのか 国会議員としての活動に加え、党全体の運営と選挙を担う立場になったため。

2026年、中道改革連合へ参加

2026年1月、新たに発足する中道改革連合への参加を決めました。階氏は2017年の政党再編時の経験にも触れながら、政策や価値観を確認したうえで参加する考えを表明しています。

次の世代のことを考えた場合、これは大いなる前進だと確信します。

出典:しなたけし公式サイト「次の世代を考えた決断-『中道改革連合』発足」(2026年1月17日)

2月8日の衆議院選挙で岩手1区から8回目の当選を果たしました。党代表選では小川淳也氏と争い、階氏22票、小川氏27票で小川氏が代表に選出されています。

その5日後の2月18日、階氏は中道改革連合の幹事長兼選挙対策委員長に就任しました。その後、憲法調査会長や政治改革本部長も担っています。

党執行部に入った後は、若手議員について発信する場面も見られます。

階猛氏が取り組んできた政策・政治姿勢

財政・金融政策―銀行員としての経験を国政へ

金融政策では、銀行や証券会社での実務経験を背景に、金融市場、物価、金利、財政運営を継続して扱ってきました。

2026年8月には、為替介入や一時的な減税に依存するのではなく、政府債務の抑制、金融政策の正常化、食料・エネルギー自給率の向上、中小企業支援などを組み合わせる考えを示しています。

物価をめぐっては、2024年の公式Xでも独自の問題意識を発信しています。

将来を見据えた「根本治療」によって問題を根本的に解決することです。

出典:しなたけし公式サイト「『対症療法』より『根本治療』を-為替介入と食料品1%」(2026年8月8日)

犯罪被害者支援と振り込め詐欺被害の救済

弁護士時代から扱ってきた犯罪被害者支援は、国会議員になってからも取り組んだ分野です。

初当選した2007年には、振り込め詐欺などの被害金を被害者へ返還する制度をめぐり、銀行を相手に訴訟を起こさなくても救済につながる仕組みを求め、法案修正に取り組みました。与野党の議員と協議しながら制度の改善を働きかけています。

選挙制度と政治改革

政治改革では、衆議院の選挙制度と議員定数を一体で議論するよう求めてきました。

2025年には超党派議員連盟の共同代表として衆議院議長に申し入れを行っています。小選挙区比例代表並立制について、地方の議席が減り続ける問題や比例復活をめぐる課題を挙げ、中選挙区制への変更も選択肢として示しました。

その際には、単純に旧制度へ戻すのではなく、一人の有権者が複数票を持つ方式も含めて検討する案を示しています。

憲法論議と国会制度

2026年には中道改革連合の憲法調査会長として、党代表との連名で憲法論議に関する見解を公表しました。

立憲主義や憲法の基本原則を重視しつつ、必要性と有用性が認められる課題では改正論議を深める立場です。衆議院解散権の制約や、臨時国会を召集する期限の明確化なども検討課題として挙げています。

政策形成とEBPM

政策を判断する際のデータや根拠の使い方についても発信しています。2026年8月にはEBPMを専門とする研究者との対談を紹介しました。

階猛氏の現在情報

2026年8月30日 時点
現在の公職 衆議院議員
現在の所属 中道改革連合
選挙区・選出地域 岩手県第1区
現在の期・任期 衆議院議員8期目
現在の主な役職
中道改革連合 幹事長兼選挙対策委員長 中道改革連合 憲法調査会長 中道改革連合 政治改革本部長

2026年8月時点では、金融・財政、政治改革、憲法論議などを継続して扱っています。

動画で見る階猛氏の会見

党発足後の会見では、政策判断や党運営について本人がまとまった時間で説明しています。

関連書籍
階猛さんの著書・関連書籍
銀行の法律知識第2版
書籍
銀行の法律知識第2版
著者:階猛/渡邉雅之 / 出版社:日経BPM(日本経済新聞出版本部) / 発売日:2009年07月

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参考・出典 この記事で参照した主な資料
公式・一次情報
選挙・公的資料

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